古紙の行政回収において、収集品の売払い入札で、二社が不正に数量を過少伸告した事件は、計量方法の問題も指摘されていますが、古紙の入札価格と分別ルールにその原因があります。資源循環局は、古紙の売払価格については、「高値で買い取る業者がいるのだからいい」と言い続けていました。2004年でキロ当たり1.655円だった売払単価が、2005年、四半期別の平均が、3.211円、3.534円、7.817円、7.927円と売払価格は上昇しています。
メーカーへの 販売価格はプレスして、10円前後。中には、落札価格が、製紙メーカーへ販売する価格より高く、収集車両代や人権費を差し引くと採算が合わない金額で受託する事業者もいます。それが、過少伸告という事態を招いた原因だと考えられます。
逆ザヤ、高値の落札が続くと、古紙相場にも乱れをもたらします。資源物の回収に携わる業者の健全な営業活動のためにも、相場にあった適正な価格で入札させるべきです。
何よりも見直すべきは禁忌品も含まれている「その他の紙」の基準です。
横浜市のような「禁忌品」を含めて古紙リサイクルしますというような古紙分別ルールを実施している都市はありません。
現在の古紙の行政回収ルールは、「オンリー横浜」全くの横浜ルールになっています。市内だけでみても、行政回収のスタートとともに、資源集団回収の古紙への異物混入が増え古紙の品質低下を招いています。横浜ルールが全国波及したら古紙の品質に悪影響を及ぼすのではないかと危惧します。
ま国内も国外も製紙原料として使用できないものは同じです。結果として、ゴミを輸出していることになります。日本の古紙が国際的にも信用を失うことにはなりはしないか、これも心配です。局長は、大都市横浜が循環型社会形成にむけてチャレンジすることのスケールメリットを強調されていましたが、これではスケールデメリットです。
本日の決算質疑では、上記問題点を指摘し、「その他の紙」の基準の見直しを求め、局長から、禁忌品を除外する方向で検討するという答弁を得ました。市民は、地球環境の保全のために必要だから協力をしています。たとえ、より厳しい分別を求められても、それが、資源をムダにせず、循環させる分別ルールであることを提示することのほうが、結果的に合意が高まるはずです。