多重債務 神奈川県の現状

許せない「政・官・業の癒着」

 多重債務問題と出資法や利息制限法の問題について、茆原洋子弁護士と女性・市民信用組合設立準備会(WCC)の向田映子さんにお話をうかがいました。 神奈川県の多重債務相談件数は過去2年で11000件を超えたそうです。全国の自己破産件数の5%、自殺者の5%は神奈川県で発生しています。(1600人)
国民健康保険滞納による資格証明発行数が福岡についで2位。当然、医療費や児童手当、生活保護費の負担も増加しています。多重債務問題は失業、虐待、DV、ホームレス、自殺など個人と家庭の破たんにつながるだけでなく、地域社会にも悪影響を与えています。データーで検証してみます。
現在、全国で
高金利貸出残高=15兆円
総人口:1億2760万人
1人当平均借入額:117、500円
例えば→
28%で借りていた支払い額が18%になると→1兆5千億が流出しない。
神奈川県に当てはめると
人口:880万人
借入推計:1兆0340億(神奈川県一般歳出額:1兆3855億円)
28%で借りていた支払い額が18%になると→1034億流出しない。
日本の大富豪の2位がアイフル社長、3位が武富士創始者、5位がアコム会長。困窮化した人のお金が流れ続けているわけで、結果として消費と景気の冷え込みの原因にもなっています。
まず、出資法の上限利息(29,2%)を利息制限法の制限金利まで引き下げること、そして、利息制限法の制限利息も市場金利に見合った利率に引き下げる法改正が必要です。
しかし、業界の意向を反映させたい議員、業界に天下った金融庁OBの抵抗も大きい。
2004年の「全国貸金業政治連盟」政治資金収支報告書には、自民、民主の国会議員や各派閥のパーティー券の購入、自民、公明の機関紙の購入も報告されています。金利引き上げを主張している「金融サービス制度を検討する会」という議員連盟には、この全国貸金業政治連盟にパーティー券を購入してもらっている議員が名を連ねています。
とにかく、総務省のホームページにある「政治資金収支報告書」を確認してみてください。(その他の政治団体に報告されています)
6月議会では、9月の臨時国会で予定されている法改正に向けて、県内各自治体から国へ「高金利引き下げに関する意見書」を提出する動きをつくっていきたいと思います。