保育園民営化問題1「横浜市は控訴すべきでない」

保護者の責任にしないで!

 2004年4月に民営化された横浜市立保育園をめぐって、横浜地裁が「市の性急過ぎる民営化手続きは違法」とした横浜地裁の判決に対し、訴訟の提起案が賛成多数で可決されました。市長からは、「議会で議決した条例を違法とする判決には承服しかねる」という控訴理由がのべられましたが、これまでの市の主張を超える内容は示されていません。控訴にあたっては、市民の税金を使うわけですから、新たな争点を提示できなければ、控訴すべきでないと考えます。 横浜地裁の判決では、横浜市の拙速な対応の違法性を認めて賠償金の支払いを命じているわけですが、公判記録を見ると、当時の福祉局長が「父母の意見があっても横浜市の方針は変えない」と発言、部長は「4/1日の民営化が最大の目標」と発言しています。
法人選考委員や、民営化された保育所を運営する予定であった法人の理事長も、「性急すぎる、責任もってやれない、民営化を延期してほしいという」意見が出されていました。それでも、この意見を内部で検討し、やはり、市長の判断で、方針は変えないということになったというようなことが当時の担当課長によって証言されています。
判決では、民営化の実施時期について、協議の余地がなかった点が問題だとされたわけですが、市長はその点について認めることはありませんでした。
市側の「建設的な話し合いが行われなかった原因が一部の保護者側にある」といった主張には、妥当性を見いだせません。