さて、以前にもお伝えしたように、横浜市は素案の中で現在月額4150円の保険料を4900円程度に引き上げる案を提示しています。しかし、横浜市の介護保険給付費準備基金(介護保険財政の余剰金を積み立てた基金)の残高は今年度末で61億円程度と見込まれ、この基金を取り崩せば200円程度保険料を引き下げることが可能だと思われます。
全国的にも、06年度の介護保険改定により介護給付費の抑制が進んだことや予防事業、地域密着型サービスの低迷により、サービス利用が3年間の計画を下回った市町村は多いはずです。余った保険料は「準備基金」として積み立てられますが、全国の市町村の基金の合計は06年度末時点で約2140億円となっています。
3年で徴収した保険料は3年で使う、これが原則だと思います。将来さらに高齢化が進み給付が拡大した場合は、県に積んだ財政安定化基金もある。これまで、横浜市が神奈川県財政安定化基金に拠出した金額は18億円、基金の総残高は129億円となっています。
高齢者の方が、今、必要としているサービスを自治体の設計で提供するために保険料を活かすという視点を持つべきではないでしょうか。