「横浜&川崎の待機児数」半年間で2、3倍になっていた!

先日、川崎市の「2008年度 保育所利用申請・入所待機状況」が公表されました。それによると、利用申請者数が16,621人、入所児童数は13,716人で「入所していない児童数」が2905人となっています。この数字からさらに、その他の市の保育施策で対応している児童数や産休・育休中の申請者数や第一希望のみの申請数などをひいた児童数1332人を待機児としていますが、4月1日現在の待機児数583人からは大幅に増加しています。川崎市は、「認可保育所の入所・待機児童数については、毎年、厚生労働省より4月1日現在と10月1日現在の数値の提出が求められています。例年、それぞれの数値は、5月末と11月末を目途に集計を行い、厚生労働省に提出するとともに、市民のみなさんに公表を行っています。」としホームページに公表しています。

そこで、これまで公表されていなかった横浜市や県内一般市村の10月1日現在の待機児数も調べてみたところ以下の結果でした。(横浜市は川崎市のような内訳は公表していないので詳細不明)
         4月1日時点待機児数  10月1日時点待機児数
横浜市          707人         1、614人
県内一般市町村合計    476人       1,300人

とにかく「待機児ゼロを目指せ!」と国をあげて必死に取り組んでもたものの、待機児は解消されません。過去5年の数字をみても、13万人の定員増(全国)に対し、待機児童は7千人しか減少しておらず、待機児として把握されていない潜在的なニーズの大きさが伺えます。社会保障審議会(厚労相の諮問機関)少子化対策特別部会の試算では、待機児童の解消には1.5兆〜2.4兆円が必要とされるとしています。しかし、常に変化し続ける待機児数の一瞬を捉えて、中期的な計画を立て、施策の評価を続けていくことに意味があるのでしょうか。

一方、生き方・働き方が多様化するなか、子育て支援施策を中心に自治体がさまざまなモデル事業に取り組む事例も見られます。社会保障審議会でも「サービス保障強化」を軸に議論が進められてきましたが、制度の転換期において、子育て支援施策等の検証を行なうとともに、一時保育(一時預かり)制度や保育要件の見直しなど、子育てを社会全体で支える施策こそが必要です。