海老名市議発言から考えるセクシャルマイノリティに関わる自治体の取組み

12月10日、世界人権デーを迎えました。今日は、海老名市議が、同性愛者を差別する発言をTwitterに書き込んだ一件について記しておきたいと思います。
まず、性的指向を理由とする差別発言は許されるものではありません。
書き込みを行った鶴指真澄市議に対し、議会は議員辞職勧告を賛成多数で議決したそうですが、議員辞職勧告決議には除名処分のような強制力もありません。また、私は、これまでも選挙によって市民に選ばれた議員に対し、議会が「辞めなさい」と言える立場にはないとも発言してきました。要は辞職勧告決議を受けた鶴指議員自らが、市議会議員としての適正を判断することになるわけですが、聞くところによると、本人から議会へ謝罪、12月の議会は謹慎し欠席とし報酬は返上、ツイッターの閉鎖や会派の離脱、基地対策委員長の辞任を申し出たそう。しかし、鶴指議員の発言は議会運営上の問題ではないし、鶴指議員に対する議員辞職勧告を決議できる議会の情勢なのであれば、この機を捉え、セクシャルマイノリティに関わる政策をすすめていくような方向にはならないのでしょうか。

LGBT 法連合会が公表した「日本における性的指向および性自認を理由とする困難を解消する地方自治体施策 」によると、県内でセクシャルマイノリティに関わる取組みが盛り込まれた行動計画やプラン、指針を持っているのは、神奈川県(20ページ)、横浜市(32ページ)、相模原市(51ページ)の3自治体のみとなっています。男女共同参画行動計画 に性的少数者の支援を謳っている横浜市は、男女共同参画センター内の交流スペースの開設や、青少年相談センターでの相談事業をスタートさせています。
民間の調査では 、LGBTの人が7.6%存在するとされており、51%の人が同性婚に賛成としているという調査結果も公表されています。堺市はじめ8自治体が、条例に基づき教育・啓発だけでなく苦情・相談処理をしており、渋谷区はパートーナーシップ証明書を発行しているところです。しかし、神奈川の状況をみても、全国的な状況をみても取組みは遅々として進みません。急ぎ、自治体の人権および男女共同参画施策を推進する法的整備に向けて国も自治体も努力すべきと考えます。