「関心を持つ限り望みがあります」冨田江里子さん報告会
私も会員となっているWE21ジャパン青葉の支援先「Clinic for poverty」の活動報告会にに参加しました。報告者は、2007年には、ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれた冨田江里子さん。冨田さんの活動の原点には社会が子どもを育てる力を信じる視座がありました。
冨田さんは、2000年にフィリピンのスービックに、母子のための診療所「St.Barnabas Maternity Center」を開設し、行き場を無くした産婦のお産介助をされてきました。診療所は24時間365日体制で運営され、今年6月1日時点で2,645人の赤ちゃんが生まれているそうです。2006年にはトレーニングセンター事業を開始、2008年には「WISH HOUSE」と名称変更し、子どもの保護や女性の教育機会をつくるための活動も進められています。
愛情の対極にあるのは無関心であると指摘された冨田さん。あらためて、私たちの消費のあり方、生活のあり方が貧困を生み出し、命を脅かしていることを突きつけられました。
貧困層の女性、子どもとともに生きる冨田さんのお話には、生き抜けるための知恵と経験が詰まっています。食品添加物や常在菌のバランスを崩してしまうほどの過剰な防衛への警鐘も鳴らされています。最後に、「人を変えるのは人。何が起こっているのか関心を持つ限り望みがあります」と結ばれ、リユース・リサイクルを進めながらアジアと繋がり、環境・貧困・人権などさまざまな問題について伝え、学び解決にむけ活動するWE21へのエールも贈られました。
何よりも、目の前のその子・その人のためにより良い支援をというスタンスが、社会全体で子どもの育ちを支えるために何をなすべきというところにつながる、そういう思考が大事なのだと思います。