訪問3日目は、韓国の女性議員との懇談をおこないました。韓国からは、ウリ党、ハンナラ党、民主労働党の議員など6名の方が参加されました。国会議員である彼女らは、70年代〜80年代の市民運動の経験者です。メンバーの中には、三年前、キョンギ女性連帯のメンバーとして神奈川NETを訪ねて下さったチョースンヨンさん(民主労働党/副代表)の姿もありました。 皆さん地方議員からの転身で、地域では労働問題や貧民問題といったテーマをもち、永年、地道な活動をしてきたパッションあふれる女性です。ともに、民主化運動に取り組み、現在も、女性の政治参加を拡げるという共通のテーマについては、党を超えて連携した取り組をされています。
韓国では、国から政党に支給される補助金のうち、10%は女性の政治を活性化するために使うことが法律で規定されているそうです。また、ついに、戸主制度も廃止されるなど、かなりのスピードで変革が進んでいます。でも、自治をすすめる政治構造は貧しく、国の制度に縛られその関与は大きいようです。地方自治制度がつくり変えられるこの時期に、制度を作る国政治に関わることは重要だと捉えられています。
私たちは、全く異なる戦後を経験しました。日本は経済大国となり生活が豊かになりましたが、韓国では軍事政権が誕生し、二つの国の間に対立した関係が生まれました。
しかし、韓国市民への抑圧は、その後の民主化運動につながり、市民の手で社会に変革を生み出します。一方、自らの手で民主化をした経験を持っていない私たち日本の市民社会は、人々の変革への可能性への認識も低いのかもしれません。だからこそ、まちの政治を変える経験を持つ市民を拡げていくことでしか政治を変えられないと思います。
韓国での、中央の力で政治を変えようという流れに対して、NETは、地域で、人々の政治意識、構造を変えることを目ざします。もちろん、日韓ともに、地域の政治がとても重要であるという共通の認識も確認しました。その上で、それぞれが、国の歴史、社会のあり方にそって変革を目ざしていきたいと思います。