昨日の神奈川県議会に続き、横浜市会でも市長の在任期間を制限する条例が否決されました。 行政の硬直化や権限の集中など多選の弊害が指摘されていますが、議会や市民に牽制力があれば「多選」自体は問題ではないし、本来、首長の任期については、条例に規定せずとも、首長自らの判断すべき事案です。また、市民が選挙で判断すれば良いというのも前述の通りです。
しかし、予算執行や人事権を持つ首長権限は絶大です。選挙においても、資金力、情報量など現職首長の優位性は歴然としていることも事実です。
全国知事会では、首長が、官製談合や収賄で次々と逮捕されている現状を受け、一般競争入札制度の原則、不正行為に対する内部通報制度の確立など談合防止策をまとめています。しかし、未だ、選挙・政治資金制度については、踏み込んだ議論がなされていません。
今議会で、私は、根本的な問題解決のためには、政治とお金の構造を制度から転換していくことや、横浜市の都市内分権を進めていくことも多選の制限と同様に重要と指摘しました。これに対し市長も、「不祥事のリスクをあらかじめ排除する意味で、総合的にやっていかなければならない。任期の制限はそのひとつ」と答弁されています。そのスタンスを先ず評価したいと思います。
今回、市長の提案された市長の在任期間を制限する条例は禁止や自粛というよりも、市長の意思を表明されたものと捉えます。実質的には法的拘束力のない条例であり、公職選挙法との整合性や自治体の法令解釈権云々の議論にあたらない提案です。
議会制度や選挙・政治資金制度について、十分な議論がなされていない現状では、当面、首長がその必要性を認識し自ら任期を制限するなど権力をコントロールしていく努力が必要です。その意味から、私は、本議案に賛成したことをご報告いたします。