神奈川県議会、横浜市会、川崎市議会の政務調査費について一部目的外使用があるとし、相次いで住民監査請求が出されました。川崎市の外部監査報告では、「市政における調査研究に資する活動」とそれ以外の議員活動の境界が曖昧であるとしながらも、政党活動が、選挙活動や後援会活動と同一化され、政策形成活動と一線を画した位置づけとなっています。しかし、そもそも、県や横浜・川崎市議会においては、会派=政党という活動実態もあり、会派に支給される政務調査費を政務と党務に切り分けることは困難です。政党とは、本来、政治や社会をあるべき方向へと導くために活動するものであり、そのプロセスが「政策」そのものだと考えます。〜「報酬を保証しないと議員のなり手がない」「議員は職業か?」「町への奉仕活動だ」〜といった激論の末、福島県の矢祭町議会では、月額制の議員報酬を廃止し、議会や行事に出席するごとに日当を支給することを決めたそうです。これにより約2500万円の議会費が削減される見込みとのことですか、コスト面の評価だけでなく、地方議会や議員のあり方についての議論に一石を投じたことを評価すべきだと思います。
NETは、当事者性の高さも専門性であり、議員を職業化しないで変わり合うことで政治への参加を広げるという試みをおこなってきました。しかし、「アマチュアの専門性」を発揮するというのはなかなか難しいことでもあります。「議員は名誉職」とし、基本的に給与は支給しないイギリス地方議会でも、フルタイム議員への転換を求める声もあり常に議論があるようです。
そういった本質論には至らず、費用弁償や政務調査費のあり方への批判に対して、費用弁償を廃止、もしくは、政務調査費を減額し報酬をアップするという動きもあります。報酬に入れ込めば、情報がクローズされることになります。
当然ながら、「地方議会とは」、「議員とは」という議論の延長線上で、報酬、政務調査費、費用弁償などの議員活動のコストをトータルにとらえた提案につなげていかなければなりません。何よりも、政治や政党への信頼度を高める努力をしたいと思います。