国の検討会議の検討過程を見ると、幼保一体化に関して重点的に検討されています。しかし、保育所と幼稚園の会計基準や法人制度、財政措置、最低基準の違いなど制度上の課題があり、認定こども園の認定件数も全国でも532カ所(2010年/4月現在)にとどまっています。
異なるニーズとサービスをそれぞれの良さを失わせる事無く一体化させるためには、詳細な制度設計が必要とされるはずです。そんなことを本当に国レベルで行えるのでしょうか。〜介護保険事業の小規模多機能サービスの失敗と重なります〜例えば、認定こども園の類型の一つ、地方債量型への財政措置をしっかり行って、地域事情に適った運用を保障し、成功事例から制度を再構築していくという視点もあって良いと思います。
現在、認定子ども園の認定権は都道府県にあり、その基準も各都道府県の条例に定められていますが、認定権限を政令市に委任できるような措置を国に求めていくことなど、自治体側からのさらなるアプローチも必要かもしれません。
また、利用者の選択によって複数のサービスが提供されるしくみでも良いはずで、そのためには、兼ねてから提案してきたバウチャー制度の導入がカギになります。(次のレポートに続く)