「支援の必要な子どもたちの放課後を考える」現場からの報告~
1月10日、青葉福祉ユニットの皆さんと支援の必要な子どもたちの放課後をテーマに、今年最初のミニフォーラムを開催、ピッピ親子サポートネットの実践も報告しました。
2012年4月、児童福祉法の一部が改正され「放課後等デイサービス事業」がスタートして以来、一気にこの事業所は広がリました。
しかし、補習や習い事、スポーツなどを中心とした学習塾型の事業所もあれば、余暇活動、宿題支援、地域交流を重視した学童保育型、また、療育支援型や、レスパイト・ケア提供型の事業所もあります。開所時間もまちまち。
そんな中で、2018年度には報酬改定が行われ、一律の単価設定となっていた報酬が見直されました。具体的には、障害児の状態像を勘案した指標によって児童を判定した上で「指標該当児」(特に支援を必要とする児童)を全児童の50%以上受け入れている事業と、それ以外の事業所の報酬を区分する仕組みが導入されました。サービス提供時間についても、3時間以上(通常時間)か3時間未満 (短時間)かで報酬が変わります。同時に指導員加配加算も見直されています。そこで、制度の動きや現場の気づきを共有する機会を持ち、私たちの考え方を改めて整理してみることにしました。
現場からの報告は、となりのいえの橋本富美子さん(ピッピ親子サポートネット副理事長・サービス管理責任者)、佐藤恭子さん(児童発達支援管理責任者)。
この報酬改定によって、となりのいえの放課後等デイサービス事業は増収となり、改めて中重度の方たちを受け入れてきたことに気づかされます。一方で、減収となった事業所もあるようで、次期報酬改定に向けては、指標判定や報酬区分の廃止を求めるような意見も出されており、様々な評価があることも知りました。
私たちは、事業所の形態により、4段階に基本報酬を区分したことは評価しつつ、障害の状態像がより適切に判断できるように、特に、発達障害児の居場所を狭めることにないよう指標を見直すことは必要だと考えています。
放課後等デイサービスが急増する中、子ども支援の立場で利用調整する必要性も感じ計画相談支援事業を始めましたが、将来につながる計画を立てる中で、気づかされることがたくさんあります。例えば、放課後等デイサービスを利用してきた子どもたちが中学生、高校生になってきている今、移動支援事業の不足や、障害者の余暇支援の必要性も見えています。
また、ピッピ親子サポートネットでは、保育・子育てや介護事業も含めソーシャルワークに取り組んでいますが、そこにも相談支援事業の経験が生かされることを実感しています。
しかし、青葉区内の障害児相談支援事業所は、地域療育センターと地域活動ホームの他には、ピッピを含め民間事業所が2箇所のみという状況です。
2020年度中には、第4期横浜市障害者プランも策定されます。国では、報酬改定の概要の取りまとめも行われます。そうした動きも捉えて、現場からの策提案にも取り組んでいきます。
*青葉福祉ユニット:青葉区内で活動するNPO,ワーカーズ・コレクティブ、ローカルパーティが参加するユニット。