カジノを含む統合型リゾート施設(IR) 誘致方針の撤回を求める意見書提出

22日、林文子横浜市長が定例記者会見で、カジノを含むIRの誘致に向けて、本格的な検討準備に入ると表明しました。

2017年の市長選挙では、争点化を避けて、IR誘致は「白紙」としながら、IR参入に前向きな事業者に情報提供を求めて開発構想案として公表するなど着々と準備は進められていました。
つまり、何度も「白紙ではなく誘致に向けて舵を切る」と告白する機会はあったにも関わらず(告白すべきであったにも関わらず)、統一地方選挙や、参議院選挙後のタイミングで「カジノを含むIRの誘致」の方針を表明された。
程なく始まる横浜市会定例会に、山下ふ頭(同市中区)を立地場所とし、準備のための補正予算案も提案されるという状況です。

言うまでもなく、IRに対しては、治安の悪化、ギャンブル依存症の増加、青少年への悪影響などの懸念があり、2018年9月の横浜市中期4か年計画 (素案)に関するパブリックコメントでも、IRに関する意見は全体の20.3%(433件)と、市民の関心が最も高く、このうち94%(407件)がカジノ反対を表明しています。

I R推進に舵を切った背景は、推察されているように、経済界や政治的な圧力があったであろうし、経済効果等についても、推進派の主張にもとづくもので、これから検証されるべきことと考えています。
林市長か期待しているような、少子高齢社会、人口減社会における将来を見すえた成長戦略がカジノという発想にも、私は共感できません。

何より、 IR誘致に向けた手続き論として大きな問題があると考えています。

カジノに頼らない経済、観光施策を、持続可能な横浜を!
そのために、まずは、61団体が名前を連ね、意見書を提出しました。

国会では、参院選後に先送りにしたカジノ管理委員会の人事案件などの議論も始まります。こうした動きも注視しながら、さらなる連帯とアクションを進めます。

関連レポート:IR法案 「ギャンブル依存症」への懸念

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横浜市長
林文子様

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)
誘致方針の撤回を求める意見書

 この度、市長が、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致を表明されたことについて、強く抗議します。

    市長は、2017年横浜市長選挙以来、IR誘致は「白紙」としてきましたが、市民の声に耳を傾けることなく、一転、カジノ誘致に舵を切りました。

 カジノが生み出す利益は、誰かの損失の上に成り立つものであり、その損失は、経済のみならず、心身の健康に関わる場合もあります。市民の利益を損なうことを良しとする産業を市が率先し誘致するようなことがあってはなりません。

 横浜市は、歴史豊かな美しい港を有し、多くの観光客を呼び、また住みやすい街として栄えてきました。歴史文化を尊重し、豊かな自然を守り、市民の健康を第一に、発展を目指すべきです。

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致の方針は、速やかに撤回してください。