「地域支え合い体制づくり事業」を検証する

常任委員会報告

急速に進む高齢化、また、地域のつながりの希薄化という課題が健在化する中、地域コミュニティの活性化、再生に向けての取組みは重要です。9月議会には、「地域支え合い体制づくり事業」実施にむけ、補正予算6億4千万円が計上されています。

今回の補正予算では、市町が行う支え合い体制事業の立ち上げ支援の他、県としても県営住宅等支え合い活動モデル調査研究事業や介護ボランティアポイント制度などの調査研究事業に取組みますが、事業の財源は介護基盤緊急整備等臨時特例基金とさています。基金事業実施期限は平成23年度末とされていますが、24年度以降の展開も視野に入れた取組みとしなければなりません。

県営住宅等支え合い活動モデル調査研究事では、県営住宅等で高齢者の見守りや買い物弱者への対応など支え合い活動を推進するとしています。この事業は、任意団体である自治会に直接委託することになりますが、地域の資源を有効に活用し、自立的・継続的に活動を行う団体との連携も視野に入れた取組みを期待します。

「高齢者介護ボランティアポイント制度」の調査研究事業は、4市4町が参加し市域を超えて広域的なコーディネートをシミュレーションする機会となります。ボランティア受け入れ施設は80カ所を予定されてており、予算は500万円。22年度に横浜市が108施設を指定し同様の事業を半年間実施した際の事業費が2388万円ですから、導入コストは大きく縮減されています。この事業を踏まえ来年度以降、県としてどのような役割を果たしていこうとしているのか、財源も含めて早い時期に明らかにされるべきと考えます。

「高齢者介護ボランティアポイント制度」は、他都市において、介護予防にも有効な事業として位置づけられていますが、介護予防事業により保険料の削減につながるといった期待がある一方で、予防の効果が見えにくいという課題があります。事業の対象者を明確にすること、目標値や評価指標は本来必要です。例えば、要支援・要介護者○○人に対し、これを○○人程度減少させる効果が見込まれるもので、この結果、給付費についても○○円の削減効果が見込まれるといった数字です。
従って、介護予防事業の入口で、要支援・要介護状態になるおそれのある高齢者(二次予防事業の対象者)の把握も重要ですが、神奈川県の把握率は、1.4%で全国平均の3.4%を大きく下回っています。今後は、対象者を明確にするとともに、介護予防事業実施状況を検証、評価する取組みも推進すべきです。

県としてこれらの事業を検証していくことや、その成果を市町村において普及するということは簡単ではないとは思いますが、市町との調整、連携体制も整えなければなりません。
市町村が取組む「地域支え合い体制づくり事業」の来年度以降の展開については、地域支援事業による取組みも視野に入れられていると思われます。介護保険の改正により、「介護予防・日常生活支援総合事業」が市町村の判断により導入されることになりますが、要支援者の予防給付が縮小されることや生活援助サービスの制限につながることのないよう、こちらも注視していきます。