選挙公約「4年で200万戸」はメッセージ

黒岩知事の掲げた「4年で200万戸」の太陽光発電のパネルを設置するという公約が、事実上、撤回されたとことが報道されています。
すでに、9月13日、知事の所信表明で、2020年度において再生可能エネルギーを20%導入するという「かながわスマートエネルギー構想」が提示され4年間で200万戸分のソーラーパネルを設置すると いう知事の公約は事実上修正されています。

知事によると「4年間で200万戸分設置」は、電力不足を突破するためのメッセージだったとのことです。確かに、知事の選挙公約は、実施期限、工程、財源などを明確に掲げた具体的マニフェストのような性格のものではありませんでした。マニフェストを掲げて当選した首長は、当然ながら、その政策を総合計画や行政評価制度に反映すべきですが、黒岩知事は6月議会でも、県の総合計画の基本構想については変更しない方針も明らかにしていました。
スローガン政策に200万戸という数字が盛り込まれていたことが、知事の言われる「誤解」を生み出したわけで、予算委員会でも、知事の太陽光パネルの普及に向けた政策に対して、各党から質問が続き、今後も県民に対して丁寧な説明を求める意見も聞かれました。
予定調和的に進む議会を経験してきた私にとっては、県議会の質疑は、正直、意外でもありましたが、本来,地方議会には与党も野党もなく、知事を推薦、支持された政党にとっても、当然の主張だと思います。

今後は、「スマートエネルギー構想」の数値目標達成のための実施期限、工程、財源などを明確にした「政策」推進のための取組みにむけた議論が求められます。地産地消型のエネルギーの普及にむけては、環境との共生も重要な視点です。まずは、神奈川におけるエネルギー需要や地域特性、地域資源を把握し、それを基にした、新エネルギー導入に向けての基本方針が重要となります。
また、スマートグリッドや蓄電技術の開発に向けた取組みが促進されるなか、官・民の役割分担も明確されるべきと思います。
この夏、私自身もエネルギーに関心を寄せることで、暮らし方も変化することを実感しました。時はまさに「今」です。