会計検査院実地検査の結果が公表されることになりました

本年11月5日に会計検査院が公表した「平成21年度決算検査報告」によると、今年4月に行われた会計検査院による実地検査で、横浜市が平成16年から20年の間に実施した国土交通省および農林水産省所管の国庫補助事業事務において、需用費、旅費,賃金など231件(700万円余)の不適正経理があった事が指摘されています。しかし、横浜市の不適正経理231件の指摘事項の内容などについては公表されていません。会計検査院の検査報告も概括的な報告にとどまり、具体的にどういう不適正経理があったのか明らかにされていません。
その理由として、今回の会計検査の調整窓口となっているコンプライアンス推進課からは「横浜市の保有する情報の公開に関する条例」 にある、非開示条項が示されています。もしも、情報公開請求が行われた場合、「公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれのある」という理由で非公開とするとのことです。
しかし、今回の事案はすでに、会計検査院が最終的に検査報告を公表しており、意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民に混乱を生じさせるおそれもありません。また、開示請求があろうがなかろうが、提供者となる文書所管者の判断で必要な情報を公開できるはずです。

川崎市は、会計検査委員が「平成21年度決算検査報告」を公表した同日11月5日には、会計検査院実地検査について報道発表を行い、指摘の主な内容、指摘された原因、市の対応等を公表しています。

昨年、横浜市立大学において事業者への「預け金」が判明したことを受け、経理処理に関する全庁調査を実施しすでに再発防止策を講じたとされていますが、そもそも全庁調査は、職員と業者の申告に基づき調査したものです。また、調査の対象も消耗品に限定されたもので再発防止策としてもごく一面的なものです。
今回の指摘内容やその原因、市の対応について、公表を行うとともに全庁的に共有し、再発防止に取り組むべきです。
今日の本会議で市長から、指摘事項を公表することや、再発防止に取り組むとの答弁を得ました。9日の常任委員会での審査にも注目したいと思います。