横浜市では、07年から食事サービスを介護保険事業に組み込み、利用対象を原則「要介護2」以上で一人暮らしの人としたため、利用が減少しています。しかし、介護度が高くなくても、栄養面の確保に留まらず、自立支援や見守りなど食事サービスが生活の要となっている事例は少なくありません。港北区で食事サービスを提供する「ほっと」では、病気のための禁止食品、制限食品、カロリー制限、嗜好の関係もあり1日の食数の1/4にあたる41食余りに特別な対応が取られています。ニーズの拾えない特定高齢者対策に頭を悩ませるよりも、食事サービスを介護予防の重要なメニューとして位置づける方が、ニーズにフィットしているし、結果的には医療費削減にもつながるのではないでしょうか。
昨年の報酬改定では、多くの加算方式が導入されましたが、加算は利用者の利用料に跳ね返るしくみですし、事業者にとっては事務量が煩雑で、安定的な収入ではないことも課題です。処遇改善助成事業の事務量も膨大であり、一時的なバラマキの様相が強いとの意見も出されました。
利用者の負担増のリスクにも配慮しつつ、介護者の処遇改善を進めること、そして何より、介護の社会化をこれ以上後退させないよう、給付抑制施策からの転換をはかる、そのためには財源確保=パイを拡げることが必要だと思います。私は保険料方式にこだわることなく、一般会計から税を投入することも含め、保険者が独自性を発揮できるような議論も必要だと思っています。今後も現場の声を集め、制度提案に取り組みます。
パネラー:NPO法人ワーカーズコレクティブたすけあい戸塚/ケアマネージャー草朋子さん、食事サービスワーカーズコレクティブほっと/小沢まゆみさん、デイサービスNOAH/W.Coオリーブの渋谷さん