現場には「一歩先」がある!NET参加型福祉研究会合同フォーラム報告

NET参加型福祉研究会合同フォーラムが開催されました。研究会では、国主導で進められる福祉政策の限界、財源不足に悩む自治体、結果として制度はあってもサービスとして機能しないといった課題を明らかにしながら、その解決に向けて参加型福祉事業の実践と政策提案を進めています。14日には、研究会の3つのプロジェクト、介護保険pj、障がい児・者pj、子育て支援政策pjから報告があり、意見交換もおこなわれました。

介護保険PJ

事業者への聞き取りや介護保険財政の調査、厚生労働省ヒアリングなどを行いながら、在宅で暮していくための課題を抽出し、自治体政策、市民政策づくりを進めています。介護予防事業の費用対効果の検証作業等から地域支援事業の課題も明らかにし、地域福祉と連携した施策への転換を提案しています。今後、クローズアップされるであろう「看取り」については、47万人の看取りの場所の確保が困難になる可能性があるとの指摘もあり、市民事業が進めてきた共同住宅の実践も踏まえ、高齢者の住まいのあり方も検証し政策化を進めます。

障がい児・者PJ

学校生活支援員制度(介助員制度)や特別支援教育の実施状況など自治体調査を通じ、自治体毎の特徴や問題点を明らかにするとともに、コミュニティケアや発達障害支援を行なうNPOへのヒアリング調査の報告がありました。
予算規模が示す通り、他自治体に比して余りに貧しい横浜市の学校生活支援員制度。横浜が全体の数字を下げ、他自治体で「ウチは平均以上」と言わせてしまう現状をなんとかしたいです。就労支援についても、地域就労援助センターの訪問調査をもとに、自治体ごとにある、相談支援事業者や自立支援協議会との連携や、社会的就労の認知を上げ、就労の場を拡げる支援策の必要性が提起されました。さらには、当事者と進めるマイケアプランの作成にむけ支援シートの提案もありました。

子育て支援PJ

99年にスタートした子ども政策に関する政策プロジェクトは、10年を経過し、第Ⅴ期プロジェクトに繋がっています。コミュニティオプティマム福祉の実践に始まり、その活動を政策モデルとし、政策アクションを重ねて来ました。「待機児ゼロ作戦」の迷走に象徴されるように、現行施策は保育・子育て支援の課題解決につながらず、国の制度も大きく変わろうとしています。試行錯誤の中で、自治体では、現場からの政策提案が生かされた独自の取り組みも始まっています。PJでは、認可保育要件調査と待機児数調査、各自治体の一時保育制度、利用状況調査、さらには、認可外保育施設への聞き取り調査と一時保育利用者へのアンケート調査を実施中です。現場には「一歩先」があります。引き続き、未来の子育て支援策を提案していきまます。