はまっ子どうしの粉飾収支?

環境モデル都市なんだからもっと考えたい

先日、はまっこどうしの給水が行なわれると聞き、道志村大渡浄水場での作業を見学させていただきました。当日は、関内からも職員が駆けつけ作業をされていましたが、職員は、水道局のトラックで南区の倉庫にも通い、毎日10社ほどの飲料メーカーへの配送をする、あるいは、各種イベントにも参加されるなど、製造、契約、営業、配送、販売など、オールマイティにはまっ子どうしに関わられているということで、販売推進担当課長以下11人の職員がフル回転と伺いました。

ところで、今年度の予算では、はまっ子どうしを230万本を売り上げ、事業費や人権費などを差し引いた利益が約830万円で、利益のうち、450万円は、水のふるさと道志の森基金に拠出するので、収支計は約380万円の黒字だということになっています。ここで、計上された人権費は3人分の2800万円にすぎないのですが、11人の職員がフル回転し、うち二人は管理職、さらに、市内9カ所の地域サービスセンターの職員の人件費を計上すれば、とんでもない赤字経営となってしまします。

水道局の方も認めていらっしゃるように、水を売るなら、水源地でボトルにつめなきゃもうからない。そうだと思います。はまっ子どうしは、山梨県で給水し、そこから、タンクローリーで群馬県の工場まで運搬し、ボトルに詰められ、南区の倉庫に配送されます。

製造コストはどうしても割高になりますが、横浜市は、充填工場を選べません。なぜなら、採水から、搬送、製造、出荷などの全ての行程を大手飲料メーカーの子会社セントラルジャパンロジスティック社に委託し、この会社が全て「手配」をするしくみになっています。

セントラルジャパンロジスティック社は、全国の工場と調整をするそうですが、優先すべきは自社系列製品。言い値で契約してくれる自治体の採算性を考慮する必要はないのですから、仕方の無い話かもしれません。横浜市同様、この会社に全ての行程を委託している神奈川県水は和歌山に、座間の水は愛媛に運ばれています。エネルギー消費も大きく、環境にもよくないと思います。

半年前、はまっ子どうしを製造する群馬の工場に連絡を取ったら倒産していました。この事業は、自治体も再委託を受ける工場ももうからないようです。どこが一番利益をあげているのかということを考えれば問題の本質がわります。
赤字であっても、オフィシャルウォーターなんだから、360万本の販売目標を目指して頑張るということであれば、それも一つの考えですし、そうではなく、あくまでも、ビジネスとして取り組むんだということならば、今のやり方では利益はあがらないのだし、また、環境の視点からも、現状は改められるべきではないでしょうか。

いずれにしても、うまくいっている、黒字なんだと言ってしまえば、課題が見えないので工夫もできません。
ありのままを市民に伝えていかないといけないんじゃないでしょうか。