チャレンジ基金〜活動はすすむ〜

第13期市民社会チャレンジ基金の審査結果発表と交流会が開催され、若年認知症やDV被害者への支援、自主制作ドキュメンタリー映画作成など、多様な活動の報告がありました。受賞団体BDK製作委員会(川崎市麻生区)が制作した、在日クルド難民を主人公としたドキュメンタリー映画が、山形国際映画祭にノミネートされたという朗報には、会場から拍手も上がりました。
12期助成団体の女性のギャンブル依存症者のためのリハビリセンター「ヌジュミ」を考える会、NPO法人桂の樹からも、近況報告をいただきました。

ヌジュミの会は、保土ヶ谷区に拠点を持ち、セミナーの開催、相談事業をスタートされています。3万人にのぼる自殺者を生む背景には、依存症による多重債務の問題が少なからずあるはずですが、依存症が中毒症状=病気として理解されないという厳しい現状もあります。そんな状況で、経験者でつくる自助グループで支援活動を行う意義は大きいと思います。ヌジュミは、沖縄の方言で「希望」という意味。ご自身の経験を持って「必ず再生される」という田上代表の希望のメッセージは実に力強く感じられました。

てんかん患者やその家族の方たちへの支援を行うNPO法人桂の樹は、今春より相談事業を開始され、企業への働きかけも行われた結果、5人の方が就職されたとのこと。また、連携されている田中正樹先生が開設されたてんかん専門クリニックを通じ、福祉関係団体、子育て支援、障がい者支援団体などとのネットワークづくりがはじまっています。

いずれの活動も、当時者でなければ引き出せないテーマで、一般には理解されにくい、注目されない活動かもしれません。こういった活動をサポートし解決するためのチャンネルとして、チャレンジ基金があります。これまでの助成団体は91団体となり、市民社会を強くする多様な力が蓄積されてきました。私たちも、この活動に学び、政策制度をつくり・変える政治の役割もしっかりと果たしていきたいと思います。