「福島の今」地域への思い、子どもへの思い…

福島視察報告その1

福島南高校で
福島南高校で
15日、16日と福島に行ってきました。福島市内から伊達市、飯舘村、川俣町、南相馬市を駆け足でめぐり、地域の方たちとも意見交換させていただく機会を得ました。各地で放射線測定も行いましたが、福島市内の学校施設では、草むらや側溝付近で2μSv/h を超える数値が、また、一度除染を行っている学校でも隣接する駐車場で5μSv/hを超える値が測定されるなどホットスポットが点在していました。
計画的避難区域に指定された飯館村では、田んぼや道路脇に雑草が茂り、人気のない家屋、シャッターのしまった店舗、牛のいない牛舎と生活の匂いが消えた村の姿がありました。また、空間放射線も高い数値を示し、持参した測定機Mr.Gammaの数値が9.999マイクロシーベルトで点滅、測定不能となる状況もありました。宿泊地の伊達市霊山町では地域の皆さんと意見交換をさせていただきました。伊達市では、先月、警戒区域、計画的避難区域の外側で避難を勧める地点「特定避難勧奨地点」の指定が行われました。特定避難勧奨地点の選定基準は3.2μSv/h以上の放射線量が計測された世帯とし、さらに、立地性や子どもと妊婦がいる家族構成などを配慮し追加選定を行った結果、例えば小国地区全426世帯のうち86世帯が特定避難勧奨地点となりました。この追加選定の基準のあいまいさ、不公平感を感じる方もあり、地域を分断することのない選定方法を求めるべきとの意見や、子どもたちの避難を優先すべきとしながらも、若い世代が地域を離れることで将来的に地域を再生することが困難となりゴーストタウンとなるのではという苦しい胸の内も聞かれました。
福島県における放射線防御の基本であり、計画的避難区域の基準となる年間被ばく量20mSv基準の見直しに向け、 PTAの方たちを中心に署名運動も行われています。チェルノブイリの原発事故の際では、年間5mSvを超える地域は強制退去地域となりました。学ぶべき歴史があるのではないでしょうか。
校庭や農地の除染作業をされている方からもお話をうかがい、今後の健康管理調査のあり方についても貴重なご意見を伺う機会となりました。