気になるやりとり@IR(統合型リゾート)市民説明会

横浜市各区で、IR(統合型リゾート)市民説明会が始まっています。
私が参加する横浜未来アクションでは、この説明会の様子を多くの方と共有するために「全文起こし」に挑戦。第一回となった中区(開港記念会館)での説明会記録、第2回の神奈川区(神奈川公会堂)の記録が公開されています。ぜひ、お読みください。また、こういう情報発信があちこちに広がることを期待しています。
第一回となった中区での説明会には、437人の定員をはるかに超える951人の申し込みがあり、抽選も行われる状況。幸運にも参加権を得た青木マキさんに録音を依頼。書き起こしを始めたら、道路や鉄道、浜ナシや浜ぶどうの話が続き、あれあれ?って。

説明の冒頭、市長の市政への取り組み実績やその思いが語られる場面が続き、なんと開始から43分を過ぎてようやく本題のIRの説明に入ったのでした。司会者の「質問には答えない」等の進め方もあり、説明会の進行については、批判的な報道も目立ちました。

横浜市としては、市内経済活性化対策を進め企業誘致 (増収、雇用創出)の実績もあげ、道路や鉄道のインフラ整備に取り組み、かつ、道路維持管理、小中学校の保全という課題にも向き合い、さらには先日の台風被害などの災害対策もぬかりなくやっている。誇るべき港湾政策や農政、文化芸術の取り組み、大盛況に終わったラグビーワールドカップと、市民と共有したいことがたくさんあったのだと思います。

そんな横浜市が直面する課題としてあげられたのが、「観光消費額において他都市に圧倒的な差をつけられている」という問題意識。(日帰りが多いという独自調査結果を報告しています。調査方法に問題がることも議会で指摘されています)
上場企業数も他都市との比較し「横浜は残念ながら」、法人市民税も他都市との比較し「横浜は残念ながら」という流れに。そして人口減少問題。だから税収のプラス効果になるIRが必要だと、これまでの主張が繰り返されました。
第2回の神奈川区での説明会では、前半の部分はややコンパクトにまとめられ、IRに関連することについてはほぼ同様の説明が行われています。

IRについての具体的な説明の冒頭で改めて市長は、「つくる人たちは民間の人たちなんです、横浜市がお金出すわけじゃないんですね。民設民営の事業。一体的に整備運営するための公費はあるんですが、この支出は最小限になります。」と話されています。さらっとおっしゃいましたが、当然ながら聞きたいです。最小限って?と。

一方で、「IRの懸念事項の中で、リスクのひとつは社会的コスト。それがはっきり打ち出されていな い、ここで説明できないのは大変申し訳ないが、これから整備計画を作る中で、特に注意深く調査・検討をやっていく。」ともおっしゃっています。このないまぜ感はなんだろう。やるともやらないとも決めていない期間が長過ぎて、いきなりゴールめがけて走り出したような感じなのでしょうか。

カジノについても、「これどうしたって博打ですからね」「国もですね、世界最高水準に厳しく規制をかけまして、管理監督するということですね。それでもう徹底的に海外で現在反社会的な勢力の関与という のは徹底的に今排除されているんです。」などと言われていますが、日本では「反社会的勢力の定義は困難」ということになってますので、大丈夫なのだろうかと心配される方も多いのではないだろうか。

韓国カンウォンランドの失敗は、開業当時はカジノのみが先行して、依存症や治安の対策が後 追いになってしまったため。 アトランティックシティは設置数の規制もなく、カジノだけ併設したホテルが乱立してし まった。そういうことがあって廃れたと説明されたが、本当にそうなのだろうか。

「税収のプラス効果」が論拠を持って説明されなければ、賛成も反対も表明できないという方も多いと思います。

私も、ぜひ、地元の説明会で直接お話を聴いてみたい。今後も様々な説明の場を設ける意思も表明されているので期待したい。今回の各区の会場で出された質問書の中で回答できなかったものも含めて、横浜市のHP上などで、全ての質問に対して回答し、合わせて同じ内容を市民情報センターで閲覧できるようにするとのことです。今後も情報をシェアしていきたいと思います。