山中新市長と横浜市会に注目 

9月10日から、横浜市会が開会しますが、ここで述べられる山中新市長の施政方針に注目したい。
市長就任会見では、『住み続けたい街・横浜』『移り住みたい街・横浜』、『選ばれる街・横浜』を作っていくと言う決意を表明されましたが、市会の論戦の中で、より具体的な市長の考えが提示されるであろと思われます。

選挙活動を通して、多くの市民の声を聴き、その重要性を実感したと言う市長には、選挙を通じて争点化された事柄、とりわけ「可及的速やかに」取り組むべき問題については、ぜひ、今定例会で見解を述べていただきたい。

選挙を通じてあらためて顕在化した問題への対応はどうなのでしょうか。例えば、旧市庁舎の売却および定期借地に関する契約については、先の市長会見で「経緯を知りたいので、今後、事実関係の確認をしたい。」と発言。選挙期間には「調査を実施する」、「代替プランを出す」とも発言されていました。
本契約締結が9月末と間近に迫っている中で、手続きを一旦停止する政治判断ができるのは市長。仮に、調査を行なって行政手続きに瑕疵がなければこれまで通り手続きを進めるのか、それとも、より市民に利益が還元される方策を検討されるのか、間も無く明らかになります。

市長が強くアピールしてきたカジノ・IR事業を巡って、IR誘致を巡る業者と市幹部の不透明な関係が報じられています。既に、市長はIR誘致の撤回宣言と必要な手続きを遂行すると述べられていますが、世論を二分し直接請求運動にも発展したカジノ・IR事業なのですから、住民自治を取り戻したいと訴えた新市長のもとで、なぜ民意が反映されないまま強引な手続きが進められてきたのか、あらためて検証し、この疑惑についても真偽のほどが明らかにしてほしい。

注目されている、ワクチンの接種の加速化や、検査体制の拡大、医療体制の確保については、国や県の権限で実施する事業が大半を占める中で、横浜市として取り組むべきことや市長が考える独自施策の方向性について、当然ながら、より具体的な取り組みが示されるのだと思います。

厳しい財政状況や新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、市民の信頼と協力なしに市政を推進することはできません。
横浜市長選挙で「市民に誠実」「データに正直」を公約として掲げていた山中市長にあっては、自身に対する幾つかの疑惑もしっかりと払拭し、市民の信頼を得て市政運営を進めていくための第一歩とすべきです。
市会の論戦に注目しています。