横浜IR事業は延期、コロナウィルス 対策は最高レベルでやっていると言うけれど

15日、横浜市がIR事業を2ヶ月程度延期するというニュースが飛び込んできました。
確かに、その兆候はありました。

9日にカジノを考える市民フォーラムで、カジノ・IR事務事業の停止を求める意見書を提出した際に、平原副市長は、「我々も大変苦しい中で仕事をしている。」「柔軟に対応できるところは対応したい」と発言。
さらに、13日に横浜市会の自由民主党・無所属の会と公明党も、「横浜IRの実施方針等の公表に関しては、一定程度の間、延期を検討すること」などとした意見書を提出しており、事業延期の決断は近いのではないかと思っていました。

15日の市長会見、記者から、「延期を決めたのはいつか?」と問われ、市長は「3日前」と回答。これが本当ならば、自民・公明会派の要請書は市長が延期を決定した後に提出されたことになります。今となれば、たくさんの要望が出される前に、市長や推進派も自ら先んじて延期なり、停止の判断を表明されたかっただろうと推察します。

林文子市長は、国のスケジュールに間に合わせるためには、2ヶ月の延期はギリギリの判断、優先すべきはコロナウィルス対策とし、「感染拡大の危険性はますます増しており、市民は大きな不安を抱いている、経済にも深刻な影響が出ている。民間の団体や市会からも心配や懸念の意見をいただいていた。こういった状況を総合的に勘案した」などと事業延期の理由を説明しています。
市長自ら約束したIR市民説明会についても、「開催したい」でも「できるかどうか約束できない状態、8月にできれば望ましい」としか言いようがない状況です。

会見で市長が何度も繰り返し述べたのは、国は申請期間(2021年1〜7月)を変更しない、だからここに間に合わせたいという思いです。IRは、ナショナルプロジェクトであり国の支援を受けないと実施できない事業だから、自治体から国に日程の再考を求める考えもないとも述べています。

じゃあ、国のプロセスが変わらず、コロナウィルス が2ヶ月後に収束しない場合にそれでもIR事業をやるのか?そう市長に聞いてくれた記者がいた。市長の答えは「国も考えるんじゃないか。」で、ちょっと拍子抜けした感もありますが、今は予測や約束ができないことは多い。

東京都が、3500億円規模の新型コロナ対策の補正予算計上する見通しが伝えられる中、横浜市としても、休業協力金の上乗せを検討していることが明かされましたが、補正財源として当てられる予算は20億、財政調整基金が39億円で、「
臨時交付金の出方によるかなりの規模、国がやっていただかないと」と言う状況も明かされています。

横浜市の予算が議決された3月24日、IR 事業予算4億円をコロナ対策に当てるべきと言う修正動議が出されていました。市会傍聴席は、その採決を見守る市民でいっぱいでした。しかし、修正動議は否決。
その日の夕方、東京オリンピックの延期が決まり、翌日小池知事はロックダウンまで言及、情勢は大きく変わっていきます。
しかし、市長が、4月8日の会見においてもなお、「国のスケジュール感に合わせるためには(IR事業を)止めることはできない。」と説明していたことはまぎれも無い事実で、いくら「(コロナウィルス 対策を)後回しになんかしていない 最高のレベルでやっている」と言っても「(誘致)方針は変えることは考えていない」と言う発言が際立ってしまう状況です。

コロナウィルス感染症がもたらしている社会・経済への深刻な影響を考えれば、2ヶ月の延期を持って、十分なコロナ対策を講じられるとは到底考えられません。また、コロナウィルス対策に向き合う中で、様々なパラダイムチェンジが起こっており、成長戦略、および観光政策の見直しも必要です。改めて政府や市に政策転換を求めたい。