気になるやりとり@IR(統合型リゾート)市民説明会
説明の冒頭、市長の市政への取り組み実績やその思いが語られる場面が続き、なんと開始から43分を過ぎてようやく本題のIRの説明に入ったのでした。司会者の「質問には答えない」等の進め方もあり、説明会の進行については、批判的な報道も目立ちました。
横浜市としては、市内経済活性化対策を進め企業誘致 (増収、雇用創出)の実績もあげ、道路や鉄道のインフラ整備に取り組み、かつ、道路維持管理、小中学校の保全という課題にも向き合い、さらには先日の台風被害などの災害対策もぬかりなくやっている。誇るべき港湾政策や農政、文化芸術の取り組み、大盛況に終わったラグビーワールドカップと、市民と共有したいことがたくさんあったのだと思います。
IRについての具体的な説明の冒頭で改めて市長は、「つくる人たちは民間の人たちなんです、横浜市がお金出すわけじゃないんですね。民設民営の事業。一体的に整備運営するための公費はあるんですが、この支出は最小限になります。」と話されています。さらっとおっしゃいましたが、当然ながら聞きたいです。最小限って?と。
一方で、「IRの懸念事項の中で、リスクのひとつは社会的コスト。それがはっきり打ち出されていな い、ここで説明できないのは大変申し訳ないが、これから整備計画を作る中で、特に注意深く調査・検討をやっていく。」ともおっしゃっています。このないまぜ感はなんだろう。やるともやらないとも決めていない期間が長過ぎて、いきなりゴールめがけて走り出したような感じなのでしょうか。
カジノについても、「これどうしたって博打ですからね」「国もですね、世界最高水準に厳しく規制をかけまして、管理監督するということですね。それでもう徹底的に海外で現在反社会的な勢力の関与という のは徹底的に今排除されているんです。」などと言われていますが、日本では「反社会的勢力の定義は困難」ということになってますので、大丈夫なのだろうかと心配される方も多いのではないだろうか。
韓国カンウォンランドの失敗は、開業当時はカジノのみが先行して、依存症や治安の対策が後 追いになってしまったため。 アトランティックシティは設置数の規制もなく、カジノだけ併設したホテルが乱立してし まった。そういうことがあって廃れたと説明されたが、本当にそうなのだろうか。
「税収のプラス効果」が論拠を持って説明されなければ、賛成も反対も表明できないという方も多いと思います。