高校内居場所カフェ・サミットに参加「学校をひらき・繋がる」

9日、神奈川県青少年センターで開催された第1回 かながわ高校内居場所カフェ・サミット(かながわ生徒若者支援センター主催)に参加しました。
サミットは、大阪府立西成高校で7年前に校内居場所カフェを開設した田中俊英さん(一般社団法人officeドーナツトーク)の基調講演でスタート。
西成高校の居場所カフェは、教員からの声かけで始まったそうです。学校は毎年中退者を出し、困難度の高い子どもたちの対応に追われ、その周辺にいる子への配慮が行き届かない状況だったようです。

田中さんは、子どもにとっての「セカンドプレイス=学校」の中に、「サードプレイス=カフェ」があって(ファーストプレイスは自宅)、そこにちょっと変わった出会ったことのないような大人がいる、このこと自体に意味がある。校内カフェで提供されるのは、子どもにとっての「安心・安全」、さらに、文化を提供し子どもたちの価値観を広げる場所だと言います。一方で、「校内カフェの貢献度を数値化・可視化することは難しい」と言う認識もあり、評価指標の必要性にも言及されました。
続いて、神奈川県内の取り組み事例として、9校の校内カフェの実践が報告されました。どのカフェも、居場所としての機能を提供することに加え、子どもたちにとって必要な資源をつなぐソーシャルワークへの意識も高く、地道な実践が模索されています。
県内で、すでに10を超える校内カフェが展開されているそうです。数年前、県立田奈高校(青葉区)の図書室で始まったぴっかりカフェの取組みに触れた当時に、こんなスピード感で高校内居場所カフェが広がるとは想像できませんでした。また、こうした集まりにに教員が大ぜい参加されていることにも驚きました。学校をひらき・繋がると言う機運が生まれていることも感じられます。
パネラーの一人、 鈴木健さん(社会福祉法人 青丘社/川崎市立川崎高校「ぽちっとカフェ」を運営 )からは、カフェは居場所の一つにすぎないし、カフェ単体で解決できるわけではないという指摘もありました。「保育園や児童館などを運営し地域コミュニティを作ってきた、学校には昔から知っている子どももたくさんいる、地域で中退者も引き受けてきた」とも。まさに地域の核となっている法人の取り組みに裏打ちされた言葉でした。
田中さんは、まとめの中で「(校内カフェは)子ども食堂が一気に広がったようなことではなく、もう少し時間をかけて・・」ともおっしゃいました。
とはいえ、サードプレイスによる「子どもたちの幸福度」が可視化されるのはそんなに先のことではないのかも知れません。その可能性を感じさせる熱気溢れるフォーラムでした。