ユニバーサル就労の社会化を〜産業人材育成フォーラム報告〜

 2日、神奈川県が主催する産業人材育成フォーラムが開催されました。
 アイエスエフネットグループ渡邉幸義代表による基調講演では、ニート・フリーター、障がい者、引きこもり等々20大雇用(ユニバーサル就労)を掲げ就労困難者の雇用に積極的に取組み、利益を出し続けた成功モデルの数々が語られました。
 アイエスエフネットグループは川崎市と連携した生活困窮者の雇用や中間就労の実践でも注目される企業です。メソッドのみではなく「雇えるために自分たちが頑張ろう」というようなマインド、感動や共感が人を動かすというお話もありました。

 続いて2万人の障がい者を雇用しているサムハルCEOモニカリンゲガルド氏(スウェーデン)の特別講演、また、連合神奈川会長、柏木教一氏、プロップ・ステーション理事長、竹中ナミ氏、「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者である坂本光司氏(法政大学大学院政策創造研究科教授)をパネラーに迎えたパネルディスカッションも行われました。障がい者雇用先進企業の事例の報告や、一人ひとりが持てる力を発揮し支え合う社会をめざし、教育システムの見直しや、行政、企業、地域がつながり共に学ぶしくみづくりや、障害者の雇用に努める企業を応援し理解や共感を広げていく必要性も提起されました。

 2013年6月1日現在の民間企業における障害者の実雇用率は、全国が1.76%、県内が1.68%(全都道府県41位)であり、障がい者雇用の促進と生活基盤の安定に向けた一層の取組みが求められます。黒岩知事からは、8月1日現在、47社が認証を受けている「かながわ障害者雇用優良企業」を紹介する取組みも報告されました。
 志ある企業に光をあてると同時に、労働、教育、福祉施策を連動させていくことも必要です。何よりも、全ての人が多様なニーズを持っており、その多様性を受け入れる社会環境を作っていく視点が求められます。

*神奈川県の民間企業における障害者雇用の状況