常任委員会報告 神奈川らしい働き方と保育・子育てを応援する「一時預かり事業」の推進を!

 待機児童解消に向けて、国は、2017年度末までに計40万人分の保育の受け皿を確保する「待機児童解消加速化プラン」を進めています。一方で、保育士確保に有効な手立てがなされなければ約7万4,000人の保育士が不足するとも試算されています。
 2013年4月時点の神奈川県の保育士登録者数は7万1,300人とされていますが、保育業務に就いている保育士は約2万5千人に留まるなど、保育人材不足は深刻化しています。就労者の95%が女性で占められている保育現場の人材不足問題は、女性の就業構造や望む働き方と密接に関わっているはずです。

 県内の女性の就業率は向上しつつあるものの、出産、子育て等のため退職する割合は 6割を超えており、女性の年齢階級別労働力率の推移をグラフにすると、30歳代で下がるM字カーブの底が47都道府県中最も深くなっています 
先頃実施された「就業構造基本調査」では無業状態にある女性のうち約7割の人が、希望する就労形態はパート・アルバイトと回答しています。また、県が実施した潜在保育士実態調査や、2月に開設された保育士・保育所支援センターには、短時間就労や、自宅に近い保育所での就労を希望する声が寄せられています。

 パートやアルバイトという短時間勤務を支える一時預かり事業は、県内673カ所で実施されていますが、約8割は保育所型で、待機児童対策が優先される中、一日3人程度の受け入れに留まっています。今後、保育所や幼稚園以外に、子育て支援拠点やひろば,小規模保育施設などあらゆる場所で一時預かりサービスが利用できれば、ニーズも顕在化するはずです。
 ライフステージに合わせた働き方を応援するしくみづくりを進めることが、女性の就労率の向上や保育士確保策の有効性を高める取組みであると考えます。神奈川らしい働き方と保育・子育てを応援する施策をスピード感を持って進めていくことが必要です。

 一時預かり事業は、子ども・子育て支援新制度では、市町村が実施する地域子育て支援事業とされています。したがって、県が策定する「子ども・子育て支援事業支援計画」の記載事項とはされていませんが、県計画にも盛り込み、その取組みを見える化することも事業の推進の一助となると考え、常任委員会では県計画への記載も提案しました。