かながわ女性センター廃止・移転問題について〜常任委員会報告〜
緊急財政対策において県有施設の見直しを行った結果、かながわ女性センターは廃止、規模を縮小し藤沢合同庁舎内に移転するという方針が示されました。9月議会で移転先の施設整備工事設計費として320万円の補正予算が計上されました。
かながわ女性センターは、1982年に全国に先駆けて男女共同参画施策の推進拠点として江ノ島に開設され、女性のエンパワーメントに力を入れ先進的な活動が展開されてきました。2002年度からは、交通利便性のよい場所への移転の可能性などについて検討が始まり、2009年には「かながわ女性センターのあり方等に関する検討会」の報告を受け、県としても検討を行った結果、今後も江ノ島に施設を存続させ広域自治体としての県の女性センターに求められる役割を果たしていくとされたものの、このたびの県有施設の見直し議論で方針は一転しました。
36億円余を投じた豪華な施設も老朽化が進んでしまいました。長期にわたるあり方検討期間に十分な施設営繕が行われていないことも影響したと思われ非常に残念です。また、津波・浸水予測の見直しを行った結果、従来の想定よりも大きな被害が予想されることも施設の廃止・移転という結論に傾いた一要因です。私も、現センターの廃止・移転はやむを得ないと考えます。
注目されているかながわ女性センターが保有する書籍については、県立図書館に移転することが検討されています。図書を扱う専門性を考えれば県立図書館への移転は望ましい選択肢だと思います。加えて、女性問題専門図書館として、その機能を今後どのように維持していくのかも気になるところです。質疑では、貴重な資料を散逸させずに保管・管理するとともに、今後の資料の収集などにあたっても専門性が担保され、問題解決のためのレファレンスサービス拠点としての機能を維持できるよう、生涯学習課との協議・調整を図っていくことを求めました。
移転先とされている藤沢合同庁舎については、男女共同参画を推進する県内の拠点施設としてその役割を果たせるよう、十分な検討を要望しました。今後、藤沢市とも連携をはかり周辺の藤沢市民会館、体育館、図書館などのとの連携や事業の共同開催などを模索すべきと考えます。