認可保育所に集中するさまざまな保育ニーズにどう応えていくのか

常任委員会報告

待機児童解消に向けて、認可保育所整備が進められていますが、 一方で就学前児童数は減少していくことになります。既に定員割れを生じている保育所もあります。

認可保育所の入所要件となっている「週4日・1日4時間」に満たない就労の受け皿となる保育サービスが不足しているため、入所の要件に合わせた働き方を選択せざる得ないという状況もあります。また、本来、一時預かり等で保育ニーズを満たすことができる保護者についても、サービス供給量の不足から、保育所へ申し込まざるを得ない状況もあり、様々な保育ニーズが認可保育所に集中しています。
県内市町村からも、一時預かりなどのサービスが不足している状況が報告されているとのことですが、あらためて、ニーズ調査を実施すべきです。

2012年度の神奈川県の予算案では、子ども基金を活用した保育所緊急整備に分園の整備を含めると66億円を超える予算が計上されています。例えば、分園は6カ所179人分の整備に2億円の予算が計上されていますので、1人当りに換算すると約111万7千円となります。国の補助制度では対象外となる経費もあり、市町村や事業者も負担が必要となり予算額の倍以上に及ぶ経費がかかります。

「安心こども基金」によりハード整備は進ちょくされても、その運営費は将来に渡って負荷されることになります。
県として、保育のコスト、子ども一人当りにどれだけの施設整備費、運営費がかかっているのか、そういう数字を示し、待機児童解消効果が期待される様々なサービスのコストを比較した上で、長期的なビジョンを持って、多様な手法を検討していくことが必要です。

関連レポート
待機児童解消にはバランス感を持って取り組むべき その1
待機児童解消にはバランス感を持って取り組むべき その2