グループ型小規模保育のこれから

常任委員会報告

家庭的保育事業は、保育者の自宅などで行われる小規模保育で、待機児童の8〜9割を占める3歳未満の子どもを預かる保育サービスであることから、待機児童対策としても位置づけられています。

家庭的保育の実施状況は、県内には111人の保育士がおり345人の子どもが保育されていますが、その約半数は横浜市の保育士です。県域では、川崎、相模原、横須賀、茅ヶ崎、厚木でも家庭的保育が実施されていますが、なかなか実績が伸びていないという課題があります。
実は、横浜市でも、長年、家庭保育福祉員が拡充できない状況が続いていましたが、2011年には、1人の家庭的保育者が子ども3人まで保育する従来の家庭的保育に加え、3人の保育者が共同で保育を実施するグループ型を実施することで、保育士は10人増加しています。さらに、NPO法人や民間事業者等のノウハウや機動性を活用し、事業研修や保育士の確保も含め事業を委託する横浜型家庭的的保育(児童定員は1施設あたり9名)も12カ所で実施しており、4月には14カ所に拡大されます。

複数の保育者が相互に協力しながら保育することは、保育の質の担保という視点からメリットがあり、保育者にとっても預ける側にとってもプラスの要素となります。また、法人に委託し待機児童のいるエリアで実施することで、個人の自宅等で実施する従来型で指摘されていた保育者の居住地と保育を必要とする方のエリアがマッチしないとういような課題もクリアできます。

グループ型小規模保育は、待機児童解消『先取り』プロジェクトの強化事業として、2012年度からは待機児童がいる全自治体で取組めるよう対象自体対も拡大されています。県として、さらに普及を図るべきであり、常任委員会において推進する方向性を確認することができました。今後、県内自治体議員とも連携し、あらたな小規模保育の制度提案に取組みます。

国が進める「子ども・子育て新システム」では、短時間就労などを含む多様な保育ニーズに対応する保育や小規模保育の供給を目指しているようですが、小規模保育については、自治体独自の取組みがあり、神奈川県においても、フレキシブルな保育を提供する地域の保育資源として認定保育施設等が果たして来た役割は大きいのです。県としても認定保育施設の運営支援を行ってきたと言う経過もあります。
小規模保育について、今後、国が指定基準を定めていくことになるようですが、自治体の裁量が一定程度認められ、地域の特性、県民のニーズに応えられるシステムとなるよう、県として、まずは、これまでの実践を再評価する作業が必要です。その検証を経て、国への提案、働きかけをおこなっていくことも提案しました。

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