20日、厚生労働省から、夏の電力需給対策に対応した休日保育などの実施状況について、7月19日時点(3回実施分)の調査結果が公表されました。この事業は、夏の電力需給対策として企業の就業時間などの変更により休日や早朝、夜間に保育が必要となる児童を保育する事業として、安心こども基金を活用し実施したものです。
休日保育特別事業については、全国で、347市(区)町村が721カ所で実施し、のべ6.932人が利用しています。神奈川県においては34カ所で実施し、のべ226人の利用があったことが報告されています。
400人程度の利用を見込んだ横浜市の実施状況は、28か所(実施予定を含む)、64人の実績が報告されています。1カ所、1回当りの利用児童数は0.76人となります。
県としても、この休日特別保育については、どのくらいの需要があるのか実施してみなければ解らないとのことでしたが、当初から保育現場では、両親ともに電力対策で勤務日を振替える事例がほとんどないことや、働きかたのシフトを子育て世代にまでもお願いすることへの疑問の声がありました。
厚生労働省は「利用料 、保護者負担を徴収しないこと。」とし、安心こども基金を活用した財政支援を約束、「安心こども基金管理運営要綱」を改正する予定であるとの業務連絡を発していました。しかし、未だに要綱改正も行われていないそうです。
そもそも、休日保育を実施している保育所が少なく、保護者にとっては遠方の保育所に預けなければならない、子どもにとっては日頃と異なる保育環境で過ごさなければならないといった課題があります。保育所は、緊急かつ不安定なニーズに対応したフレキシブルな保育体制を求められますが、一時保育同様に採算性の低い休日保育への参入は進んでいません。今回、電力需給対策に対応した休日保育に新たに取組んだ保育所は県内で24カ所ありましたが、この事業を一過性の事業とせず、必要としている人に休日保育が提供されるしくみにつながるような制度の見直しが必要です。