まるで与野党対決「民主党代表選」

郵便不正事件をめぐり、10日、厚生労働省元局長に対して無罪判決出されました。公判を通じ、検察官による強引な取り調べや、取調べメモをすべて破棄するという違法行為など不当な捜査手法が明らかになりました。

菅首相は「コメントすることは控えたい」とされたようですが、岡田外相の「検察の取り調べの中で行き過ぎがあるとすれば可視化が必要だ」とのコメントが伝えられました。確かに、昨年の衆議院選の民主党マニフェストには、「取り調べの可視化で冤罪を防止する」ことが盛り込まれていました。ところが、今年の参議院選挙のマニフェストからはその文言が消えています。「全事件の可視化は現実的ではない」とした法務省の中間報告の影響も懸念されますが、公約を果たすために、法務大臣がリーダーシップを発揮し法案提出を行うことはできなかったのでしょうか。

民主党の代表選においては、民主党議員からあたかも与野党対決のような批判が噴出しています。しかし、政治とカネの問題を取り上げるなら、昨年の衆議院選挙のマニフェストに掲げた「企業・団体献金の全面禁止」に向け法案提出を行うべきでした。単なる「小沢たたき」の様相に失望を禁じ得ません。

代表選については、新聞やテレビで伝えられている情勢とネット上の情勢は大きく異なっているようです。そのような不確定な数字を繰り返し報道する意味はあるのでしょうか。対応を決めかねている国会議員の投票行動に世論調査結果が少なからず影響を与えているとの指摘もありますが、このような数字を判断材料とすることに議員は疑問を感じないのでしょうか。

円高と株安、雇用も悪化する中、代表選挙による政治の空白をつくることは許されないという国民感情は、どの程度受け止められているのでしょうか。
「民主党へのマスコミ効果は、何十億円分!?」と吞気な事を行っている議員 には、ホントがっかりです。