女性の場合20代では 正規社員の割合が60%を超えていますが、40代では11%まで落ち込み、収入額でみると正規社員のピークが20〜25万円に対し非正規労働者は10〜 15万円。厳しい労働条件で、103万、130万の「壁」の影響もあり、仕事と家庭の両立に悩む姿が浮き彫りになっています。
家事・育児・介護等を担うことが多い女性と経営者の双方が、配偶者控除や第3号被保険者の制度を「調整弁」として使ってきたことが、結果的には雇用の劣化につながり、その影響は若者世代にまで拡がっています。
配偶者控除や第3号被保険者制度については、「女性の自立を妨げている」、「女性も男性も同じ税金や社会保障を納め社会を支えるべき」、「男女平等や社会の円熟がすすむ」「この枠があるために経験やスキルを積んでも賃金が上がらず、企業に安く使われている」という意見がある一方、「この制度は必要、助かっている」という意見もあり、この制度を前提に働き方を考えている人も多いことが明らかになっています。
特に、「103万、130万の壁がなかったら、もっと働きたいか」との問いに対して、「はい」と答えた人は、「生活のために収入が必要」、「残業などの調整をしないで働きたい」、「やりたい仕事の範囲を拡げたい」という意見が見られました。
また、「いいえ」と答えた人は、「家事、子育て、介護もしたい」「趣味、ボランティアなどもしたいので自分で自由に使える時間がほしい」「健康上、体力上これ以上働けない」という意見、「わからない」と答えた人は、「収入がほしいか他にやりたいことがあるかなどその時の状況による」「子育ての状況など、自分の生活スタイルに合わせて働きたいから」といった意見がみられました。
配偶者控除や第3号被保険者という制度は、性別役割分業を前提にした制度ですが、女性も男性も生活スタイルに合わせて働き方を選べることが望ましいと考えます。そのためには、税制や社会保障を世帯単位ではなく個人単位とし、年金制度の一本化を進めることが必要です。