女性・市民コミュニティバンク総会

直接役に立つお金の循環を拡げる

12日、女性・市民コミュニティバンクの総会が開催されました。私も、福祉NPOの活動を通じ支援を受け、市民自身による非営利・協同の地域金融システム作りに共感し、会員として参加をしてきましたが、世界一預貯金の多い国に暮らす者としても、その「使い途」には関心を持つべきだと思っています。

米国発の金融危機から2年が経過し、さらに、ギリシャの金融危機が発生するなど、商品として売買されるお金が社会を不安にしている現実を突き付けらている今、あらためて、実際になされた仕事やモノに対するお金、直接役に立つお金の循環を拡げることや、その価値を知る人を拡げることが必要です。

総会終了後には、「新しい公共」円卓会議座長の金子郁容さんの記念講演もありました。円卓会議の議論を受けた「新しい公共」宣言には、寄付税制や、公的年金の投資方針の開示の制度化など、社会的責任投資の推進に向けた具体的な提案も盛り込まれたようです。同時に、市民参加の公共事業のしくみの創設の必要性も提言されていますが、すでに、この間、自治体では「協働ブーム」とも言える状況が続いています。新しさを求めるのであれば、協働の取組みにより市民セクターの領域は広がったのか、地域課題はどのように解決されたのか、それらの活動が社会連帯を強める事に寄与できたのかといった検証がまず行われるべきではないでしょうか。

独立性の高い、市民によるコミュイティバンク、NPOバンクも、期待される役割をいかに果たしていくのか、その実践力が問われています。2010年度も、コミュニティバンクに参加する人を増やし、地域社会を豊かにする市民事業や、市民が元気になる融資を行って行く事、市民金融にふさわしいNPO バンク法(仮)の制定に向けて、積極的なアクションを進めることを確認しました。