障害者自立支援法に基づくサービスで、外出に付き添うヘルパーを派遣する、ガイドヘルパー事業については、NPOから貴重なデーターとともに、具体事例や課題が示されました。
例えば…
リハビリや診察のため、自宅から車で病院に行く場合、乗車時間はサービスにカウントされず、院内の介助は認められるが、リハビリ中の時間はカウントされない、プールに同行する場合、プールでの着替えやトイレ介助はサービス対象となるが、自宅からプールまでの移動、プールでの見守りや介助はカウントされずボランティアで対応しているというような事例が報告されました。
このような制度の矛盾を抱え、サービス提供者にとって採算性の低い事業になっています。介護保険と違いケアマネがいないため、ケースワーカーによって時間数の出し方に差がある、当事者、家族と事業者が直接やり取りすることでトラブルが発生することもあります。また、複雑な請求業務への対応が負担となり撤退する事業者も出ています。障害者自立支援法の問題として負益負担がクローズアップされていますが、何よりもサービスを提供する事業者が不足していること大きな問題です。
その他、横浜市では、2000年から社会福祉協議会に委託し、外出支援サービスを実施しています。このサービスについては、介助ができない・付き添いがない場合は使えないなどのルールがあり、比較的軽度の利用者が多く、重度の身体状況など困難ケースに対応できていません。そのため、送迎支援の必要度が高い人ほど、公的資金の入ったサービスが受けられず、NPOのサービスに頼らざるを得ない、自己負担も高くなるということが起こっています。また、79条登録団体の多くが、利用希望に応じ日時を問わずサービス提供していることに比べると、利用時間帯が限られ土日、休日の休みが多く対応できない事例もあります。利用者の視点で、公平な使いやすいサービスかどうか検証することが必要です。その上で、多くの移動困難者が使いやすいよう有効な委託を模索すべきです。
制度が発足してから10年が経過し、移動サービスを取り巻く環境も変化しています。横浜市では、移動支援施策再構築プロジェクトが設置され、検討が行なわれていますが、このプロジェクトを契機に、委託のあり方を見直し、さらに、担い手のいる地域では、ぜひ、あらたなモデル事業に取り組んでほしいと思います。
今後もプロジェクトの議論に注目し、提案を続けて行きます。