第3期介護保険事業計画を検証する

決算審査報告

 健康福祉局の決算審査で介護保険事業について質疑を行ないました。

 2008年度は、06年からの介護保険事業計画の第3期計画の最終年度でしたが、第3期の保険事業状況は、給付見込額4554億円に対し、実績は4383億円で執行率は、96、2%となりました。市は、第3期の給付額が計画値より下回った理由として、特別養護老人ホームの竣工の遅れや、地域密着型サービスの低迷、訪問介護事業や福祉用具貸与など制度の見直しの影響を挙げていますが、96、2%の執行率は概ね計画とおりと評価しているようです。しかし、法改正の目玉であった地域密着型サービスの執行率は72.0%に留まっており、これを補ったのは、高額サービス費等の給付で、執行率は117.96%でした。

 介護保険料は、3年を一期とし、次の一期でどれくらいのサービス需要があるかを予測し算出しますが、第3期の保険料基準額は、第2期3265円に対し27,1%増の4150円。この27、1%という上昇率は、第2期の3、2%、4期の8.4%に比べで突出した高さの上昇率です。第3期の保険料の設定にあたって、市は「要介護認定者の増加により給付費が大幅に増えるが、介護予防の取り組みの推進や給付の適正化を図ることで、今後の介護保険料の上昇を抑制する」と説明していました。しかし、05年度の介護保険改定の柱でもあった介護予防事業は、この3年間、迷走を続けています。

介護保険事業計画の第3期計画における介護予防事業の執行率は、06年29%、07年50、3%、08年41、5%となり、監査委員からも事業規模の精査や、見直しを求められています。市の担当者は、決算審査で、介護予防事業について、要介護者の数を減らす、あるいは遅らせることにより経費削減、保険料の減につながるといった期待があり、長い目で見ればプラスになると述べていますが、同時に、効果に結びつく取り組みが難しく、予防の効果が見えにくい、検証しづらいことも認めています。これは、制度に対する信頼に関わる問題です。信頼のない制度に若い世代は投資しません。

介護保険は、そもそも介護が必要になったときに支給される保険。将来のリスクに対して得られる介護サービスの費用を負担しているはずです。予防事業を介護保険で行うことで、どういうリスクに対する保険制度なのかが、曖昧になります。
予防事業は、次期、介護保険法の改正の大きなテーマにもなるはずですし、第3期の介護保険事業の実績を踏まえ見直しを進めるるべきです。