子育ては社会の仕事!

つづき・青葉ここクラブ主催のフォーラム「子育ち・子育ての社会化をめざして」が開催されました。つづき・青葉ここクラブは、認可外保育室、横浜保育室、認可保育所を運営するNPO、そしてネット青葉も参加し、「一時保育」の実践から制度提案を続けています。
 
 フォーラムでは、一時保育の利用児の低年齢化が進んでいる事や、障がい児や祖父母支援の必要性、幼稚園児の長期休暇中の保育の対応など、現場が捉えた保育ニーズが報告されました。また、通常の入所手続きが区役所で行なわれる認可保育所が、一時保育に積極的に取り組む事で地域の子育て家庭と直接つながるなどのメリットも話されました。保育園の利用者のコメントもあり、子育て世代のライフスタイルや子育ての悩みや喜びを率直に感じられるものでした。

 09年度の待機児が1290人となったことに注目が集まっていますが、待機児の入所要件を分析してみると、一定基準以上勤務している保護者は39,7%にしか過ぎません。本当は週1日から、2〜3日と、仕事のペースをコントロールしたいのに、このような預かりを受け入れてくれるところがないために「週4日以上」という入園要件に「あわせて」働くという現象も起きています。多様な生き方、働き方を支える保育制度への転換のために、一時保育の役割は大きいのです。

 横浜市では、「横浜市乳幼児一時預かり事業」が始まりました。この事業は、認可外保育施所が担います。私は、一貫して、一時保育の重要性やその担い手となっている認可外保育所などの社会資源を生かすことを提案してきましたが、その度に「保育の質」が壁となっていました。その壁を超えて、さらには、「保育」と「子育て支援」の壁も崩す、つまり、就労している人と家庭で子育てする人を分断しない施策が始まろうとしています。一時預かりが、待機児解消の一方策に位置付けられた事も大きな前進です。

 コメンテーターの普光院亜紀さん(保育園を考える親の会)からは、国の少子化対策特別部会で議論されている保育制度改革について、保育の受け皿拡大に見合った財源の確保、保育の質を担保するための方策、また、保育料は応能負担とすべきという基本スタンスをお話いただきました。また、認可と認可外、専業主婦と働く女性というような対立構造は、結果としてより良い保育に繋がらないという指摘とともに、家庭内にあった小さな社会や大人のコミュニティが失われている時代だからこそ、社会全体で子ども支援、子育て支援を進めて行く必要性が話されました。
 
 政権交代により、少子化対策、子育て支援施策が変わろとしている今、あらためて、社会全体で子どもを育てる視点を持って政策提案を続けていくことを確認するフォーラムとなりました。