議会やマスコミに対しては、一言も、「補助金適正化法違反」ということは言っていないけれども、この件について、市長が神奈川県に出された「都市基盤改修事業における不適切な会計処理の報告について」という書類には、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」等に抵触する行為であり、このような事態が発生しましたことについて深くお詫び申し上げます」とあります。
5月15日に県に出された報告には、「不適切な会計処理の内容とその背景・原因」、それから、「再発防止策について」さらには、「関係者の処分等について」という内容までも含まれています。このような重要な案件について、市会に報告することもなく、県へ報告する、しかも、横浜市のコンプライアンス推進室に相談を始めたばかりなのに、なぜ、こういうプロセスになるのでしょうか。いくら、事件の当事者が集まって協議や調査をしても事実を明らかにすることは難しいし、事実を明らかにしなければ再発防止もないはずです。
市長が県に出した報告書では、問題に気付いたのは去年の会計検査時とされています。しかし、内部の調査チームの報告書では工事を委託した初年度から毎年出来高と支払額が一致していないことはわかっていたことが読み取れます。その後も、JR東日本から出された請求書、そして、現場確認を行なったとする市職員の「検査の結果、相違なく完成したことを確認しました」という公文書の偽造とも言える虚偽の完了検査調書工事調書も作成され、架空の工事代金が支払われ続けてきたわけです。
当局は、昨年6月に会計検査院の検査をきっかけに、事実を公表するどころか、うちうちの調査チームを立ちあげ、一方でJRと協議を続けてきました。結果、5年に渡って違法状態が放置され、また、そのことを知りながら隠蔽され、議会に対しても今回の議案提出まで一切報告されることはありませんでした。
JR東日本から、過払い分の補助金8億2千万円が返還されたと言われていますが、そもそも、そのお金はどこにあったのでしょうか。
プールされていたとしたら運用益は発生してないでしょうか。なぜ、調査をされないのでしょうか不思議です。
市長からは、事件の詳細を把握することは難しいと率直な答弁がありました。それも十分理解します。ただ、議案として提出されるにあたって、事件の全容を把握して、議会や税金をおさめている市民のみなさんに説明をする責任もあると思います。