県内の産業廃棄物の適正処理や民間処理施設の設置を促進し、県内処理の推進に寄与する事を目的に設立されたという事業団。その事業成果はきちんと検証されるべきです。予算委員会では、データをもとに、あらためて、クリーンセンターの「モデル性」とは一体何なのかを問いました。
例えば、県内の産業廃棄物処理施設の整備状況をクリーンセンターの稼動前後で比較してみると、焼却処理施設は30か所から38か所に、また、焼却処理能力は、842トン/日から1472トン/日に変化しています。この数字を見る限り、かながわクリーンセンターの稼働前も稼働後も民間事業者によって順調に処理施設が整備されていることがわかります。
また、産業廃棄物の県内総排出量と県外委託中間処理量についても、約1800万トンで推移している県内総排出量に対し、県外委託中間処理量はクリーンセンター稼働前64トンから06年度には104トンと増加し、県内処理を推進するという効果も見えづらい。
さらに、県内での産業廃棄物の総排出量に対して、事業団が処理した廃棄物は、0,2%(06年度実績)に過ぎず、公共的ニーズの受け皿としては、評価の分かれるところです。
公共関与のあり方については、新たに設置された経営改善検討委員会での検討事項にも挙げられていますが、施設の存続も含めた検討も避けて通れないのではないでしょうか。
何よりも、民間施設の設置促進を促すモデルであるためには、自らが採算がとれる施設であることが必要不可欠です。