障害者児・者福祉の転換

廃止条例に附帯意見

今定例会に提案された「横浜市在宅心身障害者手当支給条例の廃止」案が常任委員会で可決されました。在宅心身障害者手当は、障害者の在宅福祉施策が未整備だった時代、横浜市が独自に取り組む施策として、1973年に創設されました。以来、30年以上経過し国の所得保証制度や支援費制度を経て障害者自立支援法によるサービスが始まっています。しかし、だれもが地域で安心して暮らせる社会の実現という自立支援法の理念に裏打ちされた施策が展開されているかと言えば、まだまだ課題もあります。今回、在宅心身障害者手当の廃止にあたっては、障害を持った方が地域で安心して暮らすための施策「将来にわたるあんしん施策」の方向性を示すことも求められ、障害福祉政策・制度の転換期において、避けては通れない議論であったと思います。

当事者の視点をいかし制度を作り上げていくこと、また、地域・社会で支えていくという理念を大切にすること、さらには、そのプロセスの公開に留意することを求めました。議論をふまえ、異例ではありますが、「廃止条例」に附帯意見も添え原案に賛成したことを報告します。

附帯意見
在宅心身障害者手当の廃止が障害福祉の後退につながることのないよう、次の事項について特段の努力を払われたい。

1)「将来にわたるあんしん施策」は、個々の障害者にとって使いやすいものとなるよう配慮するとともに利用者負担にも留意したものとすること。また、その実施にあたっては、将来にわたって安心して生活ができるよう障害特性や幼児期から高齢期までそれぞれの世代に応じた障害者のきめ細かなニーズや既存施策の充実を含めた安心施策となるよう総合的な推進をはかること。

2)「将来にわたるあんしん施策」の策定・実施に当たっては、随時、市民や市会などに進捗、状況を報告し市民意見をふまえて定期的な見直しを行うこと。また、「将来にわたる安心施策」を含む横浜市障害者プランが障害者基本法に基づく市町村障害計画であることを踏まえ、関係者の総意に基づき、障害者施策を総合的に推進すること。