お墓が余っている

墓地開発と名義貸し

横浜市には、墓地として許可を受けた施設が4、032施設あります。区画数としては、29万5192区画、そのうち、約15000区画が売れ残っているとのことです。(実態調査を行っているわけではなく、あくまでも横浜市健康福祉局が墓事業者の報告に基づいてはじき出した数字です。)

市は02年に実施した「墓地に関する市民意識調査」に基づき2002年から2021年までの墓地必要数を85,245区画と算出したそうですが、先月末現在、すでに54000区画が整備されており、2014年までの需要を満たしている状態であると説明しています。やはりお墓は余っています。

本来は、地方自治体による公営墓地と宗教法人や公益法人による民間墓地しか認められていませんが、事業型墓地と呼ばれる民間墓地については、霊園開発業者が宗教法人などから名前を借りる「名義貸し」の危険性も指摘されています。横浜市は他都市と比べて事業型墓地の割合が高く、市内で整備された54000区画のうち、93%が事業型墓地です。02年度以降、横浜、さいたま市、広島市を除く政令市では新規の事業形墓地は許可されていません。多くの自治体が厚生労働省の指針を遵守した形で規制を強める中、規制がゆるやかな自治体に事業型墓地開発が流れて行く事は想像に難しくありません。そんなわけで横浜市にお墓が次々に作られてきたのですが、お墓が余るということは、事業者にとっては一つのリスクです。永続的な墓地経営を望む利用者や周辺住民にも維持管理がなされないまま墓地が放置される可能性もあり不安材料となっています。

そういう状況の中で、都筑区の事業型墓地の建設をめぐる紛争は、事業者と住民の合意形成が進まず、近隣の住民が横浜市を訴えるという事態となっています。あらためて、市は恣意的な誘導行政は行っていない、名義貸しは違法行為であり、違法行為が疑われる事業については許可を下ろさないという強い意志を示すことが求められますし、疑義がないのであれば、そのことを理解いただくような説明をすべきです。また、厚生労働省からの通知「名義貸しの防止のための指導監督の徹底」に則り、現条例を見直すと共に、許可後におけるチェックも行い墓地経営の実態の把握に努め、問題がある場合には適切な措置を講じるべきです。