議会を強く!その意思が問われる議会基本条例

 NET議員の条例づくり政策アクションプロジェクトでは、県内自治体議会の現状についての定点調査(公開性、市民参加や討議の状況など)を行なうとともに、改革アクションの実践を共有しながら、更なるチャレンジを目指してきましたが、1日、中間報告のフォーラムを開催しました。

 2006年に栗山町議会が「議会基本条例」を制定して以来、全国にこの動きが広がり、現在、神奈川県や川崎市でも議会基本条例策定が進められています。しかし、私たちの調査でもセレモニー化し公開性にも課題があり、市民から遠い大きな議会に、この条例は必要なのか、条例は機能するのかという疑問もありました。
 コメンテーターとして参加下さった廣瀬克哉さんは、改革をリードして来た栗山町を始め、三重県議会や会津若松市の条例に込められた改革の意思や神奈川県の条例素案の課題をお話いただき、自治体規模の大小ではなく、改革の志の大小が問われていることも再認識しました。

 栗山町では、町長の政策提案における7条件を明文化し、それに対し町長には反問権を付与することで対等な関係をつくっています。また、三重県議会は、議会が調査や諮問のために「附属機関などを設置することができる」とし、独任制の首長を牽制するしくみを条例に盛り込んでいます。これについては、議会には付属機関は設置できないという総務省の見解と異なるものであり、三重県に続く議会基本条例はないとのことです。 

 栗山町を視察した神奈川県議会は、「議会基本条例は憲法と地方自治法に抵触しないように定めていますが、むしろ自治体議会は国に挑戦する、争いを恐れず必要なものは戦って勝ち取ることがあってもいいのでは」と話されたそう。ここは、ひとつ、神奈川県議会のチャレンジで880万都市の影響力を発揮していただきたいものです。

 廣瀬さんからは、条例制定後に各論を具体化することも可能だし、地方制度調査会の議論に影響を与えるような改革、政策・立法機能を高め議会の強化につながるチャレンジ性の高い条例を目指してほしいとのエールをいただきました。私たちも、議会改革を議員だけの議論に終わらせないために、引き続き地域でミニフォーラムや議会報告会を開催し、市民と議員による請願運動や条例提案、直接請求などへの取り組みも進めます。

政策提案における7条件

(1)政策等の発生源(2)検討した他の政策等の内容(3)他自治体の類似政策との比較検討(4)総合計画における根拠・位置づけ(5)関係ある法令・条例等(6)政策等の実施の財源(7)将来にわたる政策等のコスト計算