前回、退職職員の外郭団体への再就職=天下りや随意契約の実態についてレポートしましたが、横浜市は「外郭団体を設立した経緯を踏まえ随意契約している事例もあり、一概に問題とは言えない」としながらも、指定管理者制度の導入などが進められる中、随意契約の妥当性について点検していくことも必要としています。私が、所属する環境創造局の審査でも、指定管理者選定に関する議案が審査されました。横浜市の3つの動物園は、長らく外郭団体の(財)横浜市緑の協会が市の委託を受け管理・運営してきましたが、2006年に、まず、横浜動物園(ズーラシア)が指定管理者制度に移行し公募選考で緑の協会が選定されました。さらに、来年4月から、野毛山、金沢両動物園も含め、緑の協会が3園の管理を行う方向性が示され、12月議会で提案される予定です。そして、よこはま動物園の契約期間が切れる2010年には、再び、公募を行い指定管理者を選定する予定です。
緑の協会の現理事長は昨年まで担当局「環境創造局」の局長で、当時は、指定管理者に業務を委託した側の立場の人でしたが、今回、立場が変わって委託を受ける立場となります。そもそも、3つの動物園を管理していく中で得られたスキルとや情報量を考えると、公募による競争が現実的に成り立つとは思えません。仮に委託先が変わった場合、動物の飼育に必要とされる継続性や専門性はどう担保するのでしょうか。
指定管理者制度の導入や公募による選定が、行財政改革のアリバイにされたのでは本末転倒です。外郭団体(出資法人)の改革にあたっては、まず、法人の人事のあり方を改革することが何よりも近道だと思います