予算委員会報告 小規模保育事業への積極的な取組みを提案
2014年度予算には、「こども・子育て応援社会の推進」予算として218億9808万円(前年比93億円増)が計上されています。そのうち152億円は待機児童対策、とりわけ認可保育所の整備費、運営費にあてられています。待機児童対策は重要な取組みですが、人口減少が始まる事を考えれば、必要なエリアにピンポイントで保育所を整備でき、撤退戦略も描ける機動性の高い保育施策にシフトしていくことも考えるべきです。そこで、予算員会では、 子ども子育て支援新制度に位置付けられた「小規模保育事業」(原則3歳児未満児童を対象とした19人以下の保育所)を取り上げました。
国は、2017年度末までに計40万人分の保育の受け皿確保をめざしており、そのうち4万人分の受け皿は小規模保育事業で賄うとしています。神奈川県としても、認可外保育施設(認定保育施設を含む)から小規模保育に移行する需要を見込んでいますが、2014年度については、県所管で8カ所分の予算しか計上されておらず、積極的な取組みには至っていません。質疑を通じ、3歳以上児童の受け入れや保育士研修の実施方策、保育の質の確保などが課題としてあげられました。
保育士研修については、 国の子ども・子育て会議の議論でも、「広範囲な研修実施体制の充実が求められる」とされており、県の子ども・子育て会議でも「県が人材育成の役割を先導的に担って行く必要がある」との指摘があります。専門性のある団体への委託も含めて県として実施することを検討すべきと思います。
0〜2歳までの事業である小規模保育事業に関しては、保育内容の支援及び卒園後の受け皿の役割を担う連携施設の設定が求められているところですが、事業者からは連携施設の設定が困難であるとの声も聞かれます。ともすれば、小規模保育事業者と教育・保育施設設置者の「民・民」の契約が強調されますが、国の子ども・子育て会議の議論では、「調整が難航し連携施設の設定が困難な場合は、小規模保育事業者からの求めに応じて市町村が調整を行うこととする」とされています。
知事は、地元の保育所等と調整したい、また、市町村の取組みに期待するとともに、人材確保、運営への財政支援など円滑な導入を促進していくとの答弁がありました。国は、小規模保育事業の実施にあたって、公営住宅などの活用も推奨しており、県営住宅を保育資源として活用することも提案しました。
今後も、国の子ども・子育て会議の動きも注視しながら、小規模保育事業の積極的な取組みを求めていきたいと思います。