「住民基本台帳」閲覧制度の実態
横浜市の住民基本台帳の閲覧等に関する事務取扱いは、区の事務事業とされているので、法律の中の裁量で各区の要領に基づき行なわれています。区役所でお話を聴いたところ、閲覧条件や閲覧ファイルの管理方法も区によって異なっていました。
大量閲覧を防ぐ意味で重要である、同一申請者が一月に閲覧できる回数は、「1日」、1日を2コマにわけて「2コマ」、「4コマ」など何通りかに分かれています。
「○○区は閲覧しやすい?」
閲覧できる時間帯も、区によって若干異なり、一度に閲覧出来る人数も1名、あるいは2名とされていますので、単純にコマ数だけでの比較もできそうにありません。
閲覧ファイルの管理についても、「誰がファイルの取り出しを行なっているか」という事がとても重要なのですが、「職員」「閲覧者」「職員の立ち合いのもと閲覧者」と各区の対応は様々です。
ファイルの保管についても尋ねてみましたが、「施錠」と「時間外は施錠」という2つの解答に分かれました。
また、閲覧者が情報を書き写す用紙は、ほとんどの区が「所定の用紙」を使うと回答する中、事業者の持ち込んだ用紙も可能とする区がありました。
横浜市では、閲覧に当っては職員の指示に従うこと、閲覧によって得た情報を目的外に利用しないこと、利用が終わったあとの情報の扱いに責任を負うことなどについて書かれた誓約書を必ず提出することとなっているのですが、この誓約書の提出を「必要なし」と答えた区職員もいました。
これは、誓約書の書式が、申請書の裏面を使ったもので、誓約書に署名・捺印されたと認識しずらい形となっているため、そのように誤った解釈がされたのではないかと推察されます。
市民局から各区役所に出されているマニュアルもシンプルで、正直驚きましたが、各区の対応も様々なのには、なお驚きました。
市民生活により近いところで、それぞれの実態に合わせて、事務が行なわれることを否定するものではありませんが、リスクを最小限に押さえるという観点からの対策は十分とは言えないのではないでしょうか。
次回は、公用閲覧についてレポートします。