実態把握が困難な住民基本台帳の公用閲覧

 住民基本台帳の閲覧には、商業目的での私用の閲覧と官公署が公的な目的で無料で行なう公用閲覧があります。
昨年の閲覧件数は、市民局から出されたデーターによると、私用閲覧が、67、538件、公用閲覧が61、531件となっていますが、公用閲覧については、区ごとの申請件数の格差が大きく、昨年は、最大で20倍の格差があります。

市全体の61、531件のうち、最も件数が少ない緑区で523件で、最も多いのが、神奈川区10、606件、次いで、青葉区の9386件となっていました。青葉区に関して言えば、2003年度が、16、340件で、2002年度が15、151件といずれの年も市全体の閲覧件数の1/4を占めていました。
この公用閲覧件数は区の人口や世帯数との関連性も無いようです。これについて、市民局からは、各区の閲覧件数のカウント方法に違いがあるのではないかというお話がありました。しかし、もし、そうであるならば、現在、総務省の検討に当って、横浜市から提出されているデーターの信憑性はどうなのか?という話になってしまいます。
確認してみると、総務省に出された閲覧件数は、市民局から提供された閲覧件数と一致しません。その理由もわからないとされています。私たちの個人情報が大事に扱われていないということではないでしょうか。個人情報の適切な管理がなされず、その責任を問われても仕方がないと思います。
私は、6月10日の本会議で、これらの点について市長に質問しました。市長は、現状について「市としてよろしくない」とし、既に、見直しを指示しているという答弁でした。
また、他党からの「市としてもの何らかの方策の検討を期待する」という発言に対しては「法律の中で何ができるかということを考えていくべき。それが法治国家、市で単独で条例等を作るのは法秩序的に難しい」と答弁されました。
住民基本台帳の閲覧に関わる事務手続きは、法廷受託事務ではなく、自治事務ですから自治体にこそ責任があります。自治体は国ではなく、住民に向き合って仕事をする、それは、地域住民の自己決定権の拡充をはかることにつながり、そのために必要な制度は自らつくるものだと考えます。