今日の神奈川新聞に後期高齢者医療制度のシステム開発費が想定の2倍、366億円に膨れ上がっているという記事がありました。これは、後期高齢者医療制度を運営する神奈川県後期高齢者医療広域連合と市町村が相互にデータ提供するための電算処理システムのネットワーク化のための準備経費です。横浜市でも一般会計で負担するシステム開発に7億9,100万円、特別会計で負担するシステム改修費に4億7,600万円の予算案が提案され、A社と随意契約を結ぶことが判り、私は、昨年9月の議会で取り上げました。
情報システムの調達に当たっては各局で契約を行いますが、ハードウエアはともかく、プログラミングなど設計書を見て判断するのはなかなか大変だろうと思います。今回のシステムの発注に当たっては、既存のシステムとの連携や互換性の必要性から入札は行わず随意契約をしたとのことですが、今後の運用、保守についても随意契約という流れが予想されます。
ソフト開発が億単位になるのはよくある話ですが、コンクリート系公共事業と違って第三者が見て適正なコストかどうか、専門性のない自治体職員が判断することも難しいと思います。昨年度の情報開発予算は150億円を超えています。現場がそれぞれ判断し随意契約するとしても、横断的な監視システムが必要です。
後期高齢者医療制度のシステム開発期間は非常にコンパクトで、仕様書も設計書も定まらない中急ピッチで進められました。人口規模に応じた国の補助金も人口上限30万人の規模の自治体を想定したもので、横浜市のような自治体は想定外の制度であり、課題の多いシステム開発だったと考えられます。
市長からは、2006年度からは、各局区で行うシステムの開発等については発注仕様や価格の妥当性を検証しているし、今後、一定規模以上のシステムに対して検証を徹底するなど、チェック体制のさらなる充実に努めるとの答弁ありました。難しい課題ですが引き続き、システム開発に関わるコストの検証システムを考えていきたいと思います。