アジア連帯経済フォーラム2009に向けて

アジア連帯経済フォーラムに参加しました。社会的経済と連帯経済の理論的検討というテーマで西川潤さん(早稲田大学名誉教授)のお話をうかがい、「アジア連帯経済フォーラム2009」の日本開催に向けての意見交換を行いました。

西川さんは、連帯経済を市場経済の失敗やゆがみをコントロールする存在として位置づけ、その歴史を19世紀からの経済システムとともに分析されました。

連帯経済が広がるフランスには「社会経済省」、ブラジルには「連帯経済局」という政府機関もあるそうですが、アジアでは連帯経済という言葉はあまり馴染みがなく、私たちの実践も長い間そういった自覚が無いままに行われてきました。しかし、この間、連帯経済の議論に触れ、「私たちはそういう言葉でつながり合ってこなかっただけだ」という気付きがあります。

私の周りにも市民金融や平和や環境、地域福祉を実践するNPO市民事業が少しずつ広がり、新しい経済と雇用が生まれています。私は、人と人との信頼をベースとした経済を経験し、コントロール可能な市場や政治は地域にこそあることを実感できるようになりました。

2007年、フィリピンで開催された第1回「アジア連帯経済フォーラム」を経て、アジアに生まれた「連帯経済」の実践の経験の交流が始まっています。「アジア連帯経済フォーラム2009」の開催に向けても、市民同士が経験を学びあいネットワークすることで新しい広がりをつくりながら、連帯経済の概念を私たちの言葉で語れるようになりたいです。