また、過去5年間の傾向は、毎年度、Gランクが40%以上を占め、次いでAランクが20〜30%前後で続いており、この2つのランクへの2極化が進んでいます。
横浜市が「待機児童解消」を掲げ、子育て支援事業本部を設置した2003年から2005年の待機児童数の変化を見ても、保育所整備によって解消できない要件の低い待機児童の課題は明らかです。
入所ランク 03年 05年 減少率
Aランク 292人 → 85人 70%
Gランク 369人 → 279人 24%
昨年、こども青少年局では次世代育成支援行動計画策定に向け「子育て支援に関するニーズ調査」も行なっています。その中で、現在働いていない子育て世代の保護者のうち7割の方が就労希望が在ると答えています。しかし、時期については就労希望がある方のうち7割の人が「こどもがある程度大きくなったら」と答えています。また、就労形態については、87%の人がパートタイム、アルバイトを希望しているという結果が出ています。また、子育てで負担に思う事に、51、2%の方が、「自分の時間が持てない」と答え、「子育てで出費がかさむ」を上回りトップとなっています。乳幼児一時預かり事業は、そういったニーズの受け皿となる事業です。
一方で、この間、増加を続けて来た08年度の認可保育所における、一時保育の実施状況を見ると、1園当りの実施件数が微減(298件→293件)となっています。これについては、私は、待機児童の増加を受け、保育所が、定員外入所を優先させている結果ではないかと思っています。今年4月1日時点で、すでに、1505人の定員外入所児童数を受け入れています。半年を経過し、現在は、さらに増加していると思われますし、定員超過気味の認可保育所でフレキシブルな保育を展開することは困難な状況だろうと思います。
NET子育て支援政策PJでも、保育所を利用する保護者へのアンケートを実施中ですが、〜一時預かりの受け皿がない、認可外施設やシッターは費用がかかる、できれば保育所を利用したいが保育所にはいるためには就労が条件になっている〜ということから、預けるために働くことを選択する少なからず存在していることが解っています。
一時預かり事業の担い手のある地域では、保育資源を生かした柔軟な一時預かり事業の展開を図っていくことを提案します。保育所の量的拡大を図っていくだけでなく、サービスの幅をひろげることで、結果として待機児童の解消につなげることもできます。待機児童解消にはバランス感を持って取り組むべきです。